Aicho Japan株式会社が小説プラットフォーム「フォレストページ+」でPoC実施 人気クリエイター作品に音声機能を搭載
音声AI技術の開発を手がけるAicho Japan株式会社は12日、株式会社ビジュアルワークスが運営する投稿型小説プラットフォーム「フォレストページ+」において、同社独自開発の感情表現AI音声技術を活用した音声読み上げ機能の実証実験(PoC)を開始したと発表した。
目次
拡大するネット小説市場に音声技術で新風
近年急成長を続ける日本のネット小説市場において、個人クリエイターの創作活動を支援する環境が整備されつつある。スマートフォンやタブレットの普及により、通勤時間や就寝前の「ながら読書」需要が高まる中、読書スタイルの多様化が進んでいる。
音声小説(Voice Novel)市場は成長途上段階にあるものの、視覚に依存しない新しいストーリーテリング手法として注目度が高まっている。今回のPoCは、Aicho Japanの先進的な音声AI技術がこの新興市場にどのような価値を提供できるかを検証する目的で実施された。
株式会社ビジュアルワークスとの協業でクリエイター支援を強化
協力企業である株式会社ビジュアルワークスは、創作活動支援ウェブサービスの企画・開発を専門とする企業である。同社が運営する小説投稿サイト「フォレストページ+」は、執筆者が自由に作品を投稿・公開できるプラットフォームとして、オリジナル小説から二次創作まで幅広いジャンルに対応している。
使いやすいエディタ機能やシリーズ管理機能を備えた同プラットフォームは、イラストやキャラクター創作などマルチジャンルのクリエイター支援環境を提供している。
人気クリエイター「唯井マンゴーパフェ」氏が協力

今回のPoCには、感情豊かなキャラクター描写と繊細でユーモアのあるストーリーテリングで注目される小説家・唯井マンゴーパフェ氏が協力している。同氏はSNSでも積極的に活動し、多くの読者から支持を集めており、今回は代表作の一部に音声技術が搭載された。
従来の合成音声を超える感情表現技術
Aicho Japanの音声技術の最大の特徴は、従来の機械的な合成音声とは一線を画す自然な感情表現にある。「抑揚」「間」「感情の揺れ」を細やかに再現することで、登場人物の心情や場面の雰囲気をリアルに伝達し、まるで耳で”読む”ような読書体験を実現している。
同社が公開したデモ音源と比較サンプルでは、従来の読み上げ技術との明確な差異を確認することができる。
ユーザーフィードバック収集とサービス改善への取り組み
Aicho Japanは音声付き小説を体験したユーザーを対象としたアンケート調査を実施中である。2025年6月12日から7月13日までの期間中、回答者の中から抽選で20名にAmazonギフトカード1,000円分をプレゼントするキャンペーンも展開している。
収集されたフィードバックは、今後の技術改善と製品化に向けた貴重なデータとして活用される予定だ。
将来展望:多方面への展開を計画
Aicho Japanは今後の事業展開として、以下の分野への拡張を計画している。
他プラットフォームや出版社との連携拡大により、音声技術の適用範囲を広げる。音声生成のカスタマイズ機能では、キャラクター声の選択や読み上げスタイルの調整機能の開発を進める。
また、複数言語対応によるグローバル展開も視野に入れている。特に注目すべきは、視覚障がい者や読字困難者向けのユースケース強化であり、アクセシビリティ向上への貢献も期待される。
音声コンテンツ市場の新たな可能性
同社は「聞くコンテンツ」の可能性拡張を通じて、音声と創作文化の融合による新しい価値創造を目指している。ネット小説という日本発の文化に最新のAI技術を組み合わせることで、グローバル市場への展開も期待される。
【会社概要】
- 社名:Aicho Japan株式会社
- 本社:東京都港区虎ノ門4-1-1
- 代表者:Charles Zhang
- 設立:2024年10月
【関連リンク】
- フォレストページ+:https://plus.fm-p.jp/
- 株式会社ビジュアルワークス:https://visualworks.co.jp/
- 音声搭載作品ページ:https://plus.fm-p.jp/u/nekocatdx/mypage