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仏ゴーモン・テレビジョン社長が語る「ピークTVの終焉」──IP所有の重要性と『Lupin』シーズン4の最新動向を明かす【Conecta Fiction 2025】


フランスの老舗映像制作会社ゴーモン・テレビジョン(Gaumont Television)の社長でありプロデューサーでもあるイザベル・ドゥジョルジュ氏が、スペイン・クエンカで開催された国際テレビコンテンツ見本市「Conecta Fiction & Entertainment 2025」に登壇し、テレビ業界の現状と今後について講演を行った。

「ピークTVの終焉後、今は“新たな日常”の時代」

ドゥジョルジュ氏は、「ここ10年はフランス、そしてヨーロッパにとって素晴らしい時代だった」と回顧しつつ、COVID-19の影響と「ピークTVの終焉」により、業界が大きな変革期にあると語った。「かつてはすべてが可能だった。ストリーマーは皆フランスで制作したがっていた。だが今は違う。これが“普通”だと受け入れることが重要だ」と述べ、柔軟な適応力と新たな創造への姿勢を強調した。

『Lupin』シーズン4は現在撮影中、来年配信予定

世界的ヒットとなったNetflixドラマ『Lupin(ルパン)』のシーズン4についても言及。「現在撮影中で、来年には配信される予定だ」と最新の進捗を報告した。物語の詳細などについては明かされていないが、引き続き注目作となる見込みである。

IP(知的財産)を所有しなければ、アイデンティティを失う

ドゥジョルジュ氏は講演の中で、グローバルストリーミング時代における「IPの所有権」の重要性にも強い警鐘を鳴らした。「IPを所有していなければ、我々のアイデンティティは失われる。すべてが米国のものとなり、最終的にはそれが“彼らの文化”として世界に認識されてしまう」と指摘した。

現在フランスでは、海外ストリーマーに対して国内売上の20%以上を欧州作品への投資に充てるよう義務付けており、こうした制度がフランス文化の保護につながっていると評価した。

Apple TV+など新プロジェクトも進行中

IP戦略の一環として、ゴーモンではApple TV+向けのスリラー『In the Shadow of the Forest』(主演:ブノワ・マジメル、メラニー・ロラン)を開発中であることも明かした。また、60カ国以上に販売されている長寿シリーズ『The Art of Crime』のシーズン9も進行中で、グローバル展開にも積極姿勢を示した。

AI規制への提言「創作者の権利を守るルールが必要」

さらにドゥジョルジュ氏は、生成AIの急速な進化に対して「クリエイターの作品を無断で学習に使うのではなく、正当に報酬を支払う仕組みが必要である」と主張。AI産業に対する明確なルールづくりを求めた。