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ジャファル・パナヒ、モハマド・ラスロフ両監督、イラン・イスラエル紛争の即時停止と核開発中止を求める公開書簡に署名


イランを代表する映画監督であり、世界的な映画賞の受賞歴を持つジャファル・パナヒとモハマド・ラスロフが、激化するイランとイスラエルの紛争停止を求める公開書簡に署名したことが明らかになった。フランスの「ル・モンド」紙に掲載されたこの書簡は、イラン政府に対しウラン濃縮の即時停止も要求しており、映像業界から発せられた強い政治的メッセージとして注目を集めている。

ノーベル平和賞受賞者らも連名、「国民は政権の野心の犠牲になるべきではない」

この公開書簡には、パナヒ、ラスロフ両監督のほか、ノーベル平和賞受賞者であるナルゲス・モハンマディ、シリン・エバディや、著名な人権活動家であるセディゲ・ヴァスマギ、シャフナーズ・アクマリ、アブドルファッター・ソルタニといったイランの知識人や活動家が多数署名している。

書簡では「我々は、イスラム共和国によるウラン濃縮の即時停止、軍事的敵対行為の停止、イランとイスラエル双方における重要インフラへの攻撃の停止、そして両国の民間人の虐殺を止めることを要求する」と断固たる声明が記された。さらに、「ウラン濃縮は決してイラン国民の利益にならず、国民は権威主義的な政権の核や地政学的な野心のために犠牲にされるべきではない」と述べ、イランの現指導者である最高指導者アリー・ハーメネイー師の退陣まで求めるなど、極めて踏み込んだ内容となっている。

パナヒ監督は豪州で足止め、ラスロフ監督は独から訴え

最新作『It Was Just an Accident』でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したジャファル・パナヒ監督は、紛争勃発時にシドニー映画祭出席のためオーストラリアを訪問中で、以来、母国へ帰国できない状況にあるという。監督は自身のインスタグラムで「家族、特に母のもとへ帰る道を探している。この状況は私にとって深く苦痛で、致命的だ」と心境を吐露。戦争の犠牲となる人々を前にした無力感と、真実を後世に伝える重い責任について綴っている。

一方、『The Seed of the Sacred Fig(原題)』でアカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたモハマド・ラスロフ監督は、昨年イランを脱出し、現在はドイツに在住している。両監督は、イラン政府から度重なる弾圧を受けながらも創作活動を続けてきたが、自らが置かれた困難な状況の中から、改めて平和と国民の尊厳を訴えた形だ。今回の紛争は、イスラエルがイランの核兵器開発を理由に攻撃を行ったことで激化しており、予断を許さない状況が続いている。

ソース:Iranian Filmmakers Call for End to Israel-Iran Conflict