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カリフォルニア州、激化するトランプ政権との対立:ニューサム知事とパディーヤ上院議員、「土足で踏み込む」姿勢で応戦


【ロサンゼルス発】 カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事とアレックス・パディーヤ上院議員は、ドナルド・トランプ政権に対し、これまでになく強硬な姿勢で反撃に転じている。特に、先週金曜日にJD・ヴァンス副大統領がカリフォルニア州を訪問したことで、この対立は一層明確になった。

「ダムが決壊した」:軍隊投入が引き金となった知事の変貌

ニューサム知事のシニアアドバイザーであるロバート・サラディ氏は、これまで慎重な姿勢を保ってきた知事が「デジタルバリケード」に立ち向かうきっかけとなったのは、6月8日日曜日に大統領が「米国の街頭に軍隊を配備する準備を進めていた」ことだと語る。サラディ氏は「それはダムを決壊させた。彼(トランプ大統領)のやっていることはあまりにも法外で、常軌を逸しており、持続的で創造的な対応が必要だった」と説明した。

これを受け、ニューサム知事とそのチームは、X(旧Twitter)から数百万人に届けられた公の演説に至るまで、あらゆるコミュニケーションレベルで才能を発揮し始めた。「真剣な投稿、ファクトチェック、そしてもちろん、必要に応じた皮肉やユーモアも含まれる」とサラディ氏は述べた。

ヴァンス副大統領訪問とカリフォルニア州の反撃

ヴァンス副大統領は、法執行機関と軍関係者の視察を名目にロサンゼルスを訪れたが、共和党全国委員会(RNC)の夏季会合にも出席する予定であった。彼のカリフォルニア訪問は、ニューサム知事がトランプ大統領からの州兵指揮権を取り戻すための仮差し止め命令の申し立てが退けられた翌日のことだった。

ヴァンス副大統領は、ICE(移民税関執行局)による強制捜査と部隊配備へのカリフォルニア州当局の対応について、ニューサム知事とロサンゼルス市長のカレン・バスを「極左扇動者をけしかけている」と非難した。これに対し、知事と市長は即座に反論した。

特に注目されたのは、ヴァンス副大統領がアレックス・パディーヤ上院議員を「ホセ・パディーヤ」と呼び間違えたことである。これは、20年以上前に「敵戦闘員」と指定されたホセ・パディーヤと意図的に混同させる、人種的なニュアンスを含んだ発言と受け止められた。ニューサム知事は即座にこれを「偶然ではない」と非難し、バス市長も「よくも彼をホセと侮辱するのか」と激しく反発した。

激化するSNSでの応酬:ニューサム、パディーヤ両氏の新たな戦略

今回の対立において、ニューサム知事とパディーヤ上院議員は、従来の民主党のコミュニケーション戦略とは異なる、より積極的なSNS戦略を展開している。

ニューサム知事は、トランプ大統領を「独裁者志望者」「恐怖を煽る者」「混乱している」と公に批判し、トランプ大統領が得意とする「ゾーンを洪水させる」(大量の情報で相手を圧倒する)戦術を逆手に取っている。サラディ氏によると、知事は「非対称戦争を戦おうと縮こまることに興味はない。失うものが多すぎるし、彼は隅で怯えたり、当たり障りのない声明を出したりしない」と述べている。

一方、6月12日に連邦捜査官によって暴行を受け、手錠をかけられたパディーヤ上院議員も、それ以降、SNSやメディアでより積極的な発信を行っている。彼のXでの投稿は320万回以上閲覧され、「彼らが質問をした米国上院議員にそんなことをするなら、あえて声を上げる全てのアメリカ人に何をするか想像してみてほしい」と述べ、トランプ政権の行動を厳しく非難している。彼はまた、ロサンゼルスの軍事化や大規模強制送還に対し、カリフォルニア州のヒスパニック系コミュニティに直接語りかけることで対抗している。

世論調査の集計結果によると、ロサンゼルスでのICE強制捜査が全国的なメディア問題となって以来、トランプ大統領の移民政策に対する支持は今月に入ってから低下している。カリフォルニア州の民主党指導者たちは、この勢いを維持し、2025年の政治情勢においてトランプ政権との全面対決を辞さない姿勢を示している。

ソース:Inside Gavin Newsom & Alex Padilla’s Media Blitz Of Trump & JD Vance: “Is He Confused Again?” Governor Mocks POTUS