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映画業界の逆風の中、FilmLAが5年間の契約更新を勝ち取る – 制作現場からは批判の声も


ロサンゼルスにおける映画制作許可業務を一手に担う非営利団体FilmLAが、業界関係者からの強い批判にもかかわらず、5年間の契約更新を市から勝ち取った。ロサンゼルス市公共事業委員会は6月20日(金)、現行契約の期限が6月30日に迫る中、4対0の満場一致でFilmLAとの契約延長を承認した。

制作現場からの不満が噴出

今回の契約更新は、ハリウッドの制作現場で働く多くの人々から不満の声が上がる中で行われた。彼らは、近年深刻化している制作の減速の原因の一端がFilmLAの運営体制にあると主張している。

CA Unitedの共同設立者であるウェス・ベイリー氏は、Varietyのインタビューに対し「システム全体が機能不全に陥っていると感じている」と語り、FilmLAが「共に歩むパートナーとは感じられない」と不満を露わにした。

公共事業委員会の公聴会では、複数の関係者がFilmLAの透明性の欠如を指摘し、制作費の削減や許可プロセスの効率化において、FilmLAが映画制作者ともっと協力すべきだと主張した。

FilmLAは「誤情報」と反論、業界経済への貢献を強調

一方、FilmLAのポール・オードリー社長は、制作現場からの批判の多くは「誤情報に基づいている」と反論し、聴衆からブーイングを浴びた。同氏は、FilmLAの使命は「ロサンゼルスの映画産業経済に焦点を当てること」であり、カリフォルニア州の映画・テレビ税額控除の大幅な拡充に向けて積極的に取り組んでいると強調した。

FilmLAはディズニー、ワーナー・ブラザース、Netflixなどの主要スタジオに加え、IATSEやSAG-AFTRAといったハリウッドの労働組合の代表者が理事を務める業界主導の非営利団体である。同団体はロサンゼルス市内の22の政府機関に代わって許可申請の処理やロケーション使用料の徴収を行っており、年間1,200万ドルの予算はこれらの使用料の一部から賄われている。また、同団体は制作量の四半期報告書を発行し、2022年以降の急激な制作減少について警鐘を鳴らしてきた。

規制と費用、税制優遇措置が問題の根源か

一部の関係者は、FilmLAが制作の減少の責任を負うのは的外れだとし、同団体を擁護した。長年のロケーションマネージャーであるロバート・ポールセン氏は、「戦うべき相手はいるが、これは違う」と述べ、「900ドルの許可料が制作をロサンゼルスから追い出しているわけではない。それはほんの一部に過ぎない」と付け加えた。

ポールセン氏は、制作側が公園の監視員や警察官の雇用を義務付けられるなど、市による過重な規制や費用こそが問題だと主張した。キャレン・バス市長は先月、市職員の配置要件を単一の担当者のみに制限する大統領令を発令したが、これはまだ進行中の取り組みである。

ロサンゼルス市議会のアドリン・ナザリアン議員も、FilmLAがプロセスの効率化に向けて多数の提言を行っていることを認め、契約延長を拒否すれば市が映画許可を処理できなくなると指摘した。同氏は、来年中に契約の変更の可能性についてFilmLAと引き続き協力していくことが重要だと述べた。

契約延長に反対する人々の中には、FilmLAそのものに反対しているのではなく、労働者の懸念に対処するために契約が修正されるべきだと主張する声も上がっている。低予算の制作には主要スタジオのプロジェクトよりも低い料金を適用する「段階的な料金体系」を求める意見もあった。

CA Unitedのベイリー氏は、「彼らが唯一の問題ではないことは理解している」としつつも、「同じ状況がさらに5年間続くのは意味がない」と述べている。

ソース: FilmLA Wins Five-Year Contract Renewal Despite Criticism From Industry Workers