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【週末全米興収】ピクサー新作『星つなぎのエリオ』が歴史的苦戦、史上最低のオープニングか ─ 実写版『ヒックとドラゴン』がV2達成


2025年6月21日の週末、全米ボックスオフィスは大きな変動に見舞われた。ユニバーサルの実写版『ヒックとドラゴン』が2週連続で首位の座を維持する一方、ディズニー/ピクサーの最新作『星つなぎのエリオ』がピクサー史上最低のオープニング興行収入を記録する見込みとなり、業界に衝撃が走っている。

『ヒックとドラゴン』が週末を制しV2へ

ドリームワークス・アニメーション製作、ユニバーサル配給の実写版『ヒックとドラゴン』は、公開2週目の週末も力強い興行を展開。推定3570万ドル(約57億円)を稼ぎ出し、週末興行収入ランキングで2週連続のNo.1となることが確実視されている。新作の攻勢をものともしない、安定した強さを見せつけた。

ピクサー新作『星つなぎのエリオ』、史上最低のオープニング興収に

宇宙への旅を夢見る少年を描いたピクサーのオリジナル最新作『星つなぎのエリオ』が、厳しいスタートを強いられた。週末のオープニング興行収入は2000万ドルから2200万ドル(約32億〜35億円)にとどまる見込みで、3位でのデビューとなりそうだ。

この数字は、インフレ調整なしで比較した場合、2023年公開の『マイ・エレメント』(2960万ドル)や、記念すべき第1作である1995年の『トイ・ストーリー』(2910万ドル)をも下回り、ピクサー史上最も低いオープニング成績となる可能性がある。

『星つなぎのエリオ』不振の背景と今後の展望

『星つなぎのエリオ』の苦戦の背景には、ファミリー向け映画市場の飽和状態がある。『ヒックとドラゴン』や、同じくディズニーが配給する実写版『リロ&スティッチ』といった強力なライバルとの競合が直接的な要因と見られている。

また、パンデミック期にピクサー作品が劇場公開されずにディズニープラスで直接配信されたことが、観客の「劇場で観る」という習慣に影響を与えたとの指摘もある。

しかし、希望の光もある。『星つなぎのエリオ』は批評家からの評価が高く、映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」では好意的なスコアを獲得。観客の出口調査(PostTrak)やシネマスコアでも「A」という高評価を得ており、特に子供たちからは「A+」という最高の評価を受けている。昨年、オープニングの不振から口コミで人気が広がり、最終的に世界興収5億ドル近くを記録した『マイ・エレメント』のような、息の長いヒット作になる可能性も秘めている。

ゾンビ映画の続編『28 Years Later』は2位デビュー

ダニー・ボイル監督が手掛ける待望のゾンビ映画の続編『28 Years Later』(邦題未定)は、週末興行収入3000万ドルから3100万ドル(約48億〜49億円)を記録し、初登場2位となる見込みだ。この成績は、ダニー・ボイル監督のキャリアにおいて最高のオープニング興収となる。

批評家からは絶賛されている一方、観客の評価はやや分かれており、今後の興行の推移が注目される。

今週末の全米興行収入ランキングは、首位の座を守った既存作品、期待に応えた続編、そしてまさかの苦戦を強いられた新作と、明暗が分かれる結果となった。特にピクサーの今後の戦略と、『星つなぎのエリオ』が口コミでどこまで数字を伸ばせるかに大きな関心が集まっている。