2025年4月18日に公開され、世界興行収入3億6400万ドルという驚異的な大ヒットを記録したオリジナルホラー映画『Sinners』。その製作の裏に、マーベル・スタジオの未公開映画が関わっていたという驚きの事実が明らかになった。
幻の『ブレイド』衣装が『Sinners』の世界観を構築
映画『Sinners』のプロデューサーであるセヴ・オハニアンが、米メディアScreenCrushとのインタビューで語ったところによると、本作で使用された衣装の一部は、制作が難航しているマーベル映画『ブレイド』リブート版のために用意されたものだったという。
オハニアンはこれを「楽しいマーベルのイースターエッグ(隠し要素)」だと語る。
「衣装デザイナーのルース・カーターは、結局撮影に至らなかった『ブレイド』の映画に取り組んでいたんだ。その映画は、『Sinners』と同じような過去の時代を扱う予定だった。だから彼女は、時代設定に合った衣装を倉庫に大量に保管していたんだよ」
急遽撮影を開始する必要があった『Sinners』陣にとって、これはまさに渡りに船だった。
マーベルの寛大な協力により実現
オハニアンによると、『Sinners』の制作陣が窮状にあった際、マーベル・スタジオがその衣装を安価で提供してくれたという。
「マーベルは非常に寛大で親切だった。我々がそれらの衣装を実質的に価格で購入することを許可してくれたんだ」とオハニアンは感謝を述べた。
これらの衣装は、主に背景に映るエキストラの俳優たちが着用し、主要キャストはオリジナルの衣装を身につけたとのことだ。この協力がなければ、『Sinners』の独特な世界観の構築はより困難になっていたかもしれない。
オリジナル作品として異例の成功を収めた『Sinners』
『Sinners』は、人気シリーズや既存のIP(知的財産)に基づかない完全オリジナル作品でありながら、2025年の世界興行収入ランキングで現在8位にランクインしている。トップ10の中で唯一のオリジナル作品として、映画界に大きな衝撃を与えた。
一方、いまだ制作が難航する『ブレイド』
ファンが待ち望むマーベルの『ブレイド』は、2019年に制作が発表されて以来、幾度となく制作の遅延に見舞われている。
しかし、デイウォーカー(昼間も歩ける吸血鬼ハンター)であるブレイド役を演じるマハーシャラ・アリは、最近のインタビューで「マーベルに電話してくれ。私は準備万端だ。準備ができていると伝えてほしい」と語り、プロジェクトへの変わらぬ意欲を見せている。
映画ファンは、『Sinners』の中に、幻となった『ブレイド』の息吹を感じ取ることができるかもしれない。
ソース:‘Sinners’ Costumes Were Purchased From Marvel’s ‘Blade’ Reboot