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【クランチロール社長インタビュー】『ブラッククローバー』新シーズン、『リゼロ』4期など新作発表!ゲーム・マンガ事業も強化でアニメファンに死角なし


世界最大級のアニメイベント「Anime Expo 2025」が開催される中、アニメ配信プラットフォームの巨人であるクランチロール(Crunchyroll)は、数々の新作発表と今後の事業戦略をハリウッドレポーターに語っている。同社の社長ラフール・プリニ氏が語ったのは、単なる動画配信にとどまらない、アニメファンに多角的な体験を届けるという確固たるビジョンであった。

 

Anime Expoで発表された注目の新作ラインナップ

 

クランチロールは、7月6日(現地時間)に開催したパネルセッションで、ファン待望の新作情報を続々と公開した。

特に大きな注目を集めたのは、スタジオぴえろが手掛ける**『ブラッククローバー』の新シーズンがクランチロール独占で配信される**という発表だ。ティーザートレーラーとキービジュアルが公開され、原作者の田畠裕基氏から寄せられたアニメ復活と原作10周年を祝うメッセージも紹介された。

さらに、以下の大型タイトルの新情報も明らかになった。

  • 『Re:ZERO -Starting Life in Another World-』シーズン4:2026年にクランチロールで独占配信が決定。
  • 『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』シーズン3:スタジオバインド制作の最新シーズンの初出し映像(約2分)を公開。
  • 『Sentenced to Be a Hero』:スタジオKAIが手掛けるダークファンタジーの独占映像を公開。
  • 『Daemons of the Shadow Realm』:『鋼の錬金術師』の荒川弘氏が手掛けるマンガの新作アニメ化が発表され、トレーラーが公開された。
  • 『ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Year』:シーズン3の続編制作が決定。
  • その他、『東島くんは仮面ライダーになりたい』(2025年10月)、『きみとまた(夢を見る)』(2026年1月)などの新作情報も発表された。

音楽コンテンツも拡充し、**「Hiroyuki SAWANO LIVE [nZk]008」**が今夏、100本以上あるフルレングスコンサートのライブラリに追加されることも発表された。

 

ストリーマーではなく「ファンに奉仕するメディア企業」へ

 

プリニ社長は、クランチロールの立ち位置を「単なるストリーマーではない」と強調する。「我々は、アニメファンに奉仕することに特化したメディア・エンターテイメント企業である」と述べ、映像コンテンツはその一部に過ぎないと語った。

同社が目指すのは「everyone(万人)のためのsomething(何か)ではなく、someone(誰か)のためのeverything(全て)」である。ファンとのリアルな体験、コミュニティ、ゲーム、グッズ、マンガ、音楽といった、アニメを取り巻くあらゆる文化を提供することが使命だという。

 

コンテンツ戦略の3本柱:ライセンス、共同製作、そしてコミッション

 

拡大する世界のファン層に応えるため、クランチロールはコンテンツ確保において3つのアプローチをとっている。

  1. ライセンス:日本のパートナー企業から作品の配信権を得る、従来からの中心的な事業。
  2. 共同製作:日本のパートナーに直接投資し、製作委員会の一員としてアニメ制作に深く関与する。これにより、より多様なコンテンツの創出を目指す。
  3. コミッション:世界中の優れた物語(例:PlayStationのゲーム『Ghost of Tsushima』や韓国のウェブトゥーン『俺だけレベルアップな件』)を日本のクリエイターに持ち込み、アニメ化を依頼する。

プリニ社長は「アニメが本物であるためには、日本で構想・制作される必要がある」と述べ、日本のアニメ制作への敬意を強調した。

 

アニメ普及の課題は「アクセシビリティ」から「発見性」へ

 

かつて、アニメを欧米のファンに届ける上での最大の課題は「アクセシビリティ(入手のしやすさ)」であった。日本での放送との時間差をなくし、字幕や吹き替えで提供することが重要だったとプリニ社長は振り返る。

しかし現在、膨大な数のアニメが配信される中で、課題は変化したという。「現在の最大の課題は**ディスカバリー(発見性)**だ。膨大な新作の中から、いかにしてファンが自分に合った作品を見つけられるようにするか。我々はその架け橋としての役割を果たさなければならない」と語った。

 

ゲーム、マンガ、劇場公開など成長分野への注力

 

クランチロールは、動画配信以外の分野でもファン体験の向上に注力している。

  • ゲーム:有料会員向けに無料でゲームを提供する「Crunchyroll Game Vault」は、現在60タイトル以上に拡充され、ユーザーから高い支持を得ている。
  • マンガ:ファンからの要望が最も高かった分野の一つとして、米国でデジタルマンガアプリの提供を予定している。
  • マーチャンダイジング:ファンが自身の「好き」を表現するためのアパレル、フィギュア、ホームアクセサリーなどの商品展開を強化。
  • 劇場公開:ソニー・ピクチャーズの一員として、『鬼滅の刃』のようなヒット作を世界の劇場に届ける取り組みを今後も強化していく。

Anime Expoの会場に設置された巨大で体験型のブースは、まさに同社の「ファン中心主義」を象徴している。プリニ社長は「我々はファンのために存在し、彼らと対話し、関係を築くことで事業を推進している」と述べ、今後もファンが集う場所で、リアルな体験を提供し続けていく姿勢を明確にした。