ドナルド・トランプ前米国大統領は2025年7月12日、自身のソーシャルメディア「Truth Social」を通じて、長年の確執があるコメディアンで女優のロージー・オドネル氏の米国市民権を剥奪することを真剣に検討していると表明した。トランプ氏の再選を受けてアイルランドに移住したオドネル氏に対し、痛烈な批判を展開した形だ。
トランプ氏、SNSでオドネル氏を痛烈批判
トランプ氏は7月12日(土)、Truth Socialへの投稿でオドネル氏を名指しで批判した。
「ロージー・オドネルが我が偉大な国の利益にならないという事実に基づき、私は彼女の市民権を剥奪することを真剣に検討している」とトランプ氏は記述。さらに、「彼女は人類への脅威であり、もしアイルランドが彼女を望むなら、その素晴らしい国に留まるべきだ。アメリカに神のご加護を!」と続け、強い敵意を露わにした。
オドネル氏もSNSで応酬か
このトランプ氏の投稿に対し、オドネル氏は同日、Instagram上で反応したと見られている。彼女は別のアカウントによる動画投稿でコラボレーションし、その動画のキャプションには「セレブたちは@potus(米国大統領の意)にはうんざり。次にヨーロッパへ行くのは誰? @rosie、ヨーロッパへようこそ。ここで幸運を見つけられることを願っています」と記されていた。
2006年から続く長年の確執
トランプ氏とオドネル氏の対立は、少なくとも2006年に遡る。当時、未成年での飲酒や薬物使用が問題となったミスUSAのタラ・コナー氏をめぐり、オドネル氏がトランプ氏の「道徳的権威」としての姿勢をテレビ番組で批判したことが発端となった。
オドネル氏は当時、「彼は様々なレベルで私を苛立たせる。最初の妻と不倫の末に別れ、二人目の妻とも不倫の末に別れ、どちらの時も子供がいた。それなのに彼がアメリカの20代の若者の道徳的羅針盤だというのか」と厳しく非難していた。
トランプ氏再選を受けアイルランドへ移住
オドネル氏は2025年3月、トランプ氏の大統領再選を理由に米国を離れ、アイルランドへ移住したことを公表した。約10分間の動画の中で、アイルランド国籍の取得も試みていることを明かしている。
彼女は動画で「あちら(米国)で起きている政治的な状況を見るのは胸が張り裂ける思いで、個人的にも辛いことだった」と心境を吐露。「アメリカの全ての市民が平等な権利を持つことが安全だとわかった時、私たちは帰国を検討するでしょう」と語った。
さらにオドネル氏は、「誰もが立ち上がり、声を上げ、抗議し、我々の国が憲法に従うことを要求するよう奨励する。王ではなく、一人の人間でもなく、残酷さを統治スタイルの一部としないことを」と呼びかけ、トランプ政権への批判的な姿勢を明確にしている。
移住から1ヶ月後、彼女はトランプ政権の最初の100日間が想像以上に酷いものであったとし、移住について「後悔はない」と語っていた。
ソース:Donald Trump Threatens to Revoke Rosie O’Donnell’s American Citizenship – TheWrap