[PR]

トランプ氏、エプスタインファイルは「オバマ、コミーによるでっち上げ」と主張


ドナルド・トランプ前大統領は、有罪判決を受けた性犯罪者ジェフリー・エプスタインに関する司法省のファイルについて、バラク・オバマ元大統領、ジェームズ・コミー元FBI長官、そしてバイデン政権によって「でっち上げられた」ものであると主張した。

トランプ氏、ファイルのでっち上げを名指しで批判

トランプ氏はホワイトハウス前で記者団に対し、エプスタイン関連文書は「コミーによって、オバマによって、バイデン(政権)によってでっち上げられた」と発言。「我々はロシア、ロシア、ロシア疑惑や、その他あらゆることを何年も経験してきた」と述べ、これまでの疑惑と同様のものだと示唆した。

この発言は、パム・ボンディ司法長官がエプスタイン文書にトランプ氏の名前が記載されていると伝えたか、という記者からの質問に「ノー、ノー」と答えた際に出たものである。トランプ氏は、ボンディ司法長官から「彼らが見た様々な事柄の信頼性」について「非常に簡単な説明」を受けたと語った。

「顧客リスト」を巡る司法省との見解の相違

この発言の背景には、先週、米司法省(DOJ)と連邦捜査局(FBI)が、エプスタインによる数百人の被害者に対する児童性的虐待の中で、有力者を罪に陥れるような「顧客リスト」の証拠は存在しなかったと発表したことがある。この発表は、トランプ氏の支持者の多くから反発を招いている。

トランプ氏は、ボンディ司法長官がエプスタイン関連ファイルの公開をしないという判断を擁護。「司法長官はこの件を非常によく処理している。彼女は本当に良い仕事をした」と述べ、「私も(透明性を)見たいと思う。しかし、司法長官にとっては信頼性が非常に重要だ。このようなことには信頼できる証拠が必要だ」と付け加えた。

司法省・FBIによる調査結果の概要

7月7日に司法省とFBIが公開した2ページのメモによると、当局は「300ギガバイト以上のデータや物理的証拠を含む、相当量の資料」を発見したという。

しかし、その徹底的な調査の結果、「エプスタインが自らの行動の一環として著名な個人を脅迫したという信頼できる証拠は見つからなかった。未起訴の第三者に対する捜査を開始できるような証拠は発見できなかった」としている。

また、同メモはエプスタインの死因についても、2019年8月10日にニューヨークの拘置所で自殺したというこれまでの結論を再確認した。「根拠のないエプスタインに関する説を永続させることは、児童搾取との闘いや被害者への正義のいずれの目的にも資するものではない」と結論付けている。

トランプ氏の過去の発言とエプスタインとの関係

トランプ氏は2024年6月のFox Newsのインタビューで、大統領に再選された場合、政府が持つエプスタイン関連ファイルを機密解除するかと問われ、「ああ、そうするだろう」と答えている。しかし、放送で編集された部分では、「その世界には偽の情報がたくさんあるので、もし偽の情報が含まれていて人々の人生に影響を与えたくないから、あまり気乗りはしない」とも示唆していた。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、トランプ氏とエプスタインは「フロリダとニューヨークの社交界のパーティーで頻繁に顔を合わせる長年の友人」だったとされる。トランプ氏は2002年の雑誌インタビューで、エプスタインを「素晴らしい男」と評した。しかし、2004年にフロリダの不動産取引で対立して以降、両者の公の場での交流はほとんど記録されていない。

今回のトランプ氏の発言は、司法省とFBIの公式見解と真っ向から対立するものであり、エプスタイン事件を巡る議論は今後も続くとみられる。

ソース:Donald Trump Says Obama, James Comey ‘Made Up’ the Epstein Files