[PR]

クリストファー・ノーラン監督最新作『オデッセイ』IMAX 70mm版、異例の1年前からチケット販売開始


クリストファー・ノーラン監督の最新作『The Odyssey(原題)』のIMAX 70mm版の先行チケットが、公開のちょうど1年前となる本日(米国東部時間木曜日午前0時)、正式に販売開始された。ユニバーサル・ピクチャーズとノーラン監督によるこの異例の販売戦略は、ハリウッドのマーケティング戦術に新たな章を加えるものとなる。

ノーラン監督がこだわるIMAX 70mmフィルムでの全編撮影

『The Odyssey』は、ノーラン監督が「最も好むフォーマット」と公言する70mmフィルムで全編が撮影されている初の商業映画となる。マット・デイモンが主人公オデュッセウスを演じる本作は、古典ギリシャ神話の叙事詩「オデュッセイア」をノーラン監督が独自に解釈したものだ。

これまでのIMAXフィルムカメラは、その重さやフィルム処理の問題から、全編撮影は不可能とされてきた。しかし、ノーラン監督の『オッペンハイマー』の成功を受け、IMAXはカメラのアップグレードに踏み切った。IMAXのCEOであるリッチ・ゲルフォンドは、今年5月のカンヌ国際映画祭での記者会見で、「クリスは私に電話をかけ、『もし問題を解決できれば、『オデッセイ』を100%IMAXで撮影する』と言った。そして、我々はそれを実現している」と語っている。

『オッペンハイマー』は全世界興行収入9億7580万ドルのうち、20%にあたる1億9000万ドル以上をIMAXスクリーンが占めており、IMAXにとってノーラン作品は大きな収益源となっている。ノーラン監督はこれまでも『ダンケルク』、『インターステラー』、『ダークナイト』シリーズ、『TENET テネット』などでIMAXカメラを使用しており、その映像美は高く評価されてきた。

今回導入された新型IMAXフィルムカメラは、現時点ではノーラン監督専用となっているが、『オデッセイ』の撮影終了後には他の監督への貸し出しも開始される予定だ。

史上最高額となる製作費と豪華キャスト陣

『オデッセイ』の純製作費は2億5000万ドルと報じられており、これはノーラン監督のキャリアにおいて最も高額な作品となる。彼の前作『オッペンハイマー』が予期せぬ大成功を収めたことで、ノーラン監督が幅広い観客を動員できる数少ない監督の一人であることが改めて証明された。壮大なスケールと豪華Aリスト俳優陣が出演する『オデッセイ』は、大きな注目を集めることは間違いないだろう。

マット・デイモンのほか、トム・ホランド、アン・ハサウェイ、ジョン・バーンサル、ゼンデイヤ、ルピタ・ニョンゴ、ロバート・パティンソン、シャーリーズ・セロン、ミア・ゴスらが出演する。

物語は、トロイ戦争から故郷イタカの妻ペネロペのもとへ帰るべく、長く危険な旅に出るイタカの王オデュッセウスの姿を描く。彼はポリュフェモス(キュクロプス)、セイレーン、魔女キルケといった神話上の存在と次々に遭遇し、冥界を旅するなど、数々の困難に直面しながら何年もかけて帰路をたどる。

異例のプロモーション戦略

ノーラン監督の最新作のティザー予告編は、ユニバーサル・ピクチャーズの『ジュラシック・ワールド リバース』の劇場公開時に独占的に公開され、大ヒットを記録している。本作はまだ撮影中であることを考えると、これほど早い段階での予告編公開は異例のことだが、『リバース』のような幅広い観客にリーチできる大作映画は、ユニバーサルとノーラン監督のチームにとって見逃せない機会であった。

また、一部の映画館が先行してチケット販売の告知を掲載したことで、先行販売の情報が事前に漏洩する事態も発生していた。IMAX 70mm版を上映できる米国の映画館は数十箇所に限られており、今回の異例の先行販売は、真のシネフィルやノーラン監督の熱狂的なファンにとって、貴重な機会となるだろう。

『The Odyssey』は、2026年7月17日に公開される予定。

ソース