米国下院は7月18日未明(米国東部時間)、トランプ大統領が提唱する90億ドル規模の歳出削減案を最終的に承認した。これにより、外交援助と公共放送への支出が削減され、ドナルド・トランプ大統領にとって立法上の大きな勝利となった。
大統領予算法の活用による異例の可決
今回の歳出削減パッケージは、トランプ政権の「政府効率化部門(Department of Government Efficiency, DOGE)」の取り組みの一環として提案されたものだ。議会は、上院のフィリバスター(議事妨害)を回避するための珍しい大統領予算法を用いて本案を可決した。これにより、法案は今後、大統領の署名を経て法律として成立する見込みである。
トランプ大統領は、約30年ぶりにこの異例の手法を成功させた最初の大統領となる。これは、米国憲法で「歳出権」を具体的に与えられている立法府が、ホワイトハウスに敬意を表した形と言えるだろう。
今後の政府資金供給を巡る与野党の対立激化の可能性
今回の歳出削減案の可決は、9月30日の期限以降の政府資金供給を巡る民主党と共和党の協力体制に疑問を投げかけている。民主党上院トップのチャック・シューマー院内総務は、このプロセスが、現在歳出合意に応じながら将来の資金提供を引き出す可能性のある共和党議員との間で、民主党が誠実に協力できるかどうかに疑念を抱かせたと主張している。
シューマー院内総務は、ジョン・トゥーン上院多数党院内総務の「共和党は政府資金供給に超党派的なアプローチを取る」という主張に対し、「あまり信用していない」と述べた。これは、ホワイトハウスのラッセル・ヴォート行政管理予算局長が、歳出プロセスは「あまり超党派的であるべきではない」と木曜日に発言した後のことである。
シューマー院内総務はCNNに対し、「彼らがトランプとヴォートに抵抗しようとするたびに、彼らは(土壇場で)折れてきた。私はそれにあまり信頼を置いていない」と語った。
一方、共和党の歳出担当者は、今回の歳出削減パッケージが今後の歳出協議に影響を与えるべきではなく、もし影響を与えるのであれば、それは民主党自身の選択であると主張している。
下院歳出委員会のトム・コール委員長は、「それは彼ら次第だ」と述べている。