Yash Raj Films (YRF)が製作し、モーヒット・スーリーが監督を務めたボリウッドの新作ラブストーリー『Saiyaara』が、インドの映画興行史を塗り替える記録的な大ヒットとなっている。本作でデビューを飾ったアハーン・パンデーと新星アニート・パッダは、一夜にしてスターダムへと駆け上がった。
新人主演映画として歴史的なオープニング興収を記録
YRFの発表によると、ロマンチックドラマである本作は公開初日の7月18日だけで、インド国内の興行収入が97万5000人を記録した。
この数字は、新人俳優が主演する映画としてはインド映画史上最大級のオープニング成績である。2000年に公開され、リティク・ローシャンとアミーシャ・パテルを輩出した『Kaho Naa… Pyaar Hai』や、カリーナ・カプールとアビシェーク・バッチャンがデビューした『Refugee』以来となる、新人デビュー作での歴史的な快挙となった。
モーヒット・スーリー監督のキャリア最高記録を更新
本作の大ヒットは、過去に『Aashiqui 2』や『Ek Villain』といった成功したロマンチックドラマを手がけてきたモーヒット・スーリー監督にとっても、自身のキャリアで最高のオープニング成績を意味する。
さらに、『Saiyaara』は新型コロナウイルスのパンデミック以降に公開されたラブストーリー映画として、初めて1日の興行収入が$200万ドルを超えた作品となった。映画のプロデュースは、YRFのCEOであるアクシェイ・ウィダーニが務めている。
映画『Saiyaara』のあらすじとキャスト
物語は、新進気鋭のミュージシャン、クリシュ・カプール(アハーン・パンデー)を中心に展開される。彼の類まれな才能と野心は、彼を現代音楽業界の厳しい現実へと導いていく。そんな中、クリシュは才能豊かで信念を持つソングライターのヴァーニ・バトラ(アニート・パッダ)と運命的な出会いを果たす。
二人の間には創造的な火花が散り、パートナーシップが深まるにつれて、その関係は情熱的かつ複雑なロマンスへと発展していく。
本作で華々しいデビューを飾ったアハーン・パンデーと、Prime Videoのドラマ『Big Girls Don’t Cry』で注目を集めた新星アニート・パッダの化学反応が、観客を強く惹きつけている。
成功を支えた異例のプロモーション戦略
特筆すべきは、この記録的な興行収入が、全国でわずか18,000回の上映を大幅に下回る数字だ。
この成功の裏には、主演俳優を公の場に一切露出させないという型破りなプロモーション戦略があった。インタビューやプロモーションツアー、SNSでの発信、インフルエンサーとの提携などを完全に排除したのだ。このミステリアスなアプローチが観客の好奇心を刺激し、前売り券の販売は好調で、主要都市の劇場では完売が続出した。
なお、現時点でインド国外における興行成績はまだ発表されていない。
ソース:‘Saiyaara’ Breaks Indian Box Office Records With Strong Debut Opening