約2年半の休止期間を経て、人気アニメシリーズ「サウスパーク」が27シーズンのプレミアを迎え、その節目に制作会社とパラマウントとの間で巨額のライセンス契約が締結された。
待望の復活、トランプ大統領を早速風刺
「サウスパーク」は7月23日(水)に約2年半ぶりにテレビに帰ってきた。27シーズン目の初回放送は、期待通りの過激かつ爆笑必至の内容で、ドナルド・トランプ大統領とサタンがベッドを共にする描写で視聴者を驚かせた。
プレミア回では、政府の検閲、「ウォーケネス(wokeness)」の終焉、ChatGPT、そして公立学校における宗教といった現代社会の主要なテーマが風刺の対象となった。シリーズの人気キャラクターであるカートマンが「リベラルが文句を言うラジオ番組」の打ち切りを知った後、PC校長が全校集会を招集し、ゲストとしてイエス・キリストを紹介する。物語はすぐにホワイトハウスへと舞台を移し、カナダと対立し、裸でサタンとベッドに横たわるトランプ大統領の姿が描かれた。
巨額契約でサウスパークの未来が確定
今回の27シーズンプレミアは、パラマウントとクリエイターのマット・ストーン、トレイ・パーカーが率いる制作会社パーク・カウンティとの間で新たなライセンス契約が合意に達した直後のことであった。この合意により、「サウスパーク」の新シーズンは予定通りに公開され、今後5年間で50話の新エピソードがコメディ・セントラルで初公開されることとなる。
さらに、両社は広範な新たなストリーミングパートナーシップ(合弁会社サウスパーク・デジタル・スタジオを通じて)を締結した。これにより、「サウスパーク」の全ライブラリが米国のParamount+で利用可能となり、HBO Maxのライブラリにも引き続き残る。また、新エピソードはコメディ・セントラルでの放送翌日に米国のParamount+でストリーミング配信される。この契約の価値は15億ドルと報じられている。
制作の舞台裏にあった紛争
今回の契約は、パーク・カウンティ、パラマウント・グローバル、そして数週間以内にパラマウントの支配権を取得する予定のスカイダンスの間で繰り広げられた法的な紛争の末に実現した。7月2日にはコメディ・セントラルが27シーズンプレミアの数週間延期を発表した後、パーカーとストーンはSNSに「この合併はめちゃくちゃで、『サウスパーク』を台無しにしている。我々はスタジオで新エピソードを制作しており、ファンがどうにかしてそれらを見られることを願っている」と投稿していた。
しかし、ストーンは本日、自身とパーカー、そして彼らのチームは感謝していると述べ、Paramount共同CEO兼Showtime/MTV Entertainment社長のクリス・マッカーシーとCOOのキーズ・ヒル=エドガーに対し、長年の素晴らしいパートナーシップに感謝の意を表した。
「私たちはこの機会に感謝し、私たちに寄せられた信頼を深く光栄に思います。これは単なる契約以上のものです。この組織、私たちのチームメイト、そしてファンへの私たちのコミットメントなのです。私たちは特別なものを築き、この街にチャンピオンシップをもたらすために必要なことは何でもすることに集中しています」とストーンは語った。