2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の完全小説版、その第三弾となる『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 三』が、2025年7月25日にNHK出版より発売される。本巻では、主人公・蔦屋重三郎の日本橋進出と黄表紙の歴史的ヒット、そして田沼意次・意知親子の野望を揺るがす悲劇が描かれる。
日本橋進出と『江戸生艶気樺焼』の大ヒット
吉原の耕書堂を江戸有数の人気店へと押し上げた蔦屋重三郎(蔦重)は、次なる目標として当時の出版文化の中心地であった日本橋への進出に乗り出す。
老舗の地本問屋・丸屋を買い取るも、その女将・ていからすぐには認められない蔦重。しかし、浅間山噴火による降灰で苦しむ日本橋の人々のために奔走する姿が、次第に人々の心を動かしていく。蔦重はていとの関係を深め、公私にわたるパートナーシップを築き上げる。
さらに、大田南畝や山東京伝といった才能あふれる仲間たちと共に刊行した黄表紙『江戸生艶気樺焼』は、世の注目を集め、空前の大ヒットを記録。「江戸のメディア王」への道を駆け上がっていく蔦重の姿が生き生きと描かれる。
田沼意知の悲劇と時代の転換点
一方、幕府の中枢では、田沼意次とその嫡男・意知が、蝦夷地を幕府の直轄地とするための策謀を巡らせていた。
意知は、蝦夷地を支配する松前藩の情報を得るため、身分を偽り吉原に潜入。そこで松前藩の江戸家老・松前廣年が通う花魁・誰袖と出会い、二人は密かに心を通わせていく。
しかし、田沼時代の終焉を告げる悲劇が意知を襲う。田沼意次の失脚を狙う者によって唆された旗本・佐野政言の凶刃が、意知の命を奪う。この事件は、蔦重をはじめとする登場人物たちの運命にも大きな影を落としていくことになる。
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 三』商品情報
- 書名: べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 三
- 作: 森下佳子
- ノベライズ: 豊田美加
- 発売日: 2025年7月25日
- 定価: 1,760円(税込)
- 判型: 四六判並製
- ページ数: 288ページ
- ISBN: 978-4-14-005752-0
目次
- 第二十五章 灰の雨降る日本橋
- 第二十六章 三人の女
- 第二十七章 願わくば花の下にて春死なん
- 第二十八章 佐野世直大明神
- 第二十九章 江戸生蔦屋仇討
- 第三十章 人まね歌麿
- 第三十一章 我が名は天
- 第三十ニ章 新之助の義
- 第三十三章 打壊演太女功徳
- 第三十四章 ありがた山とかたじけ茄子
- 第三十五章 間違凧文武二道
- 第三十六章 鸚鵡のけりは鴨
『べらぼう』関連書籍も好評発売中
小説版の既刊や、ドラマをより深く楽しむためのガイドブックなども発売されている。
- 『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 一』
- 『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 二』
- 『NHK大河ドラマ・ガイド べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~ 前編・後編』
- 『NHK大河ドラマ 歴史ハンドブック べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~ 蔦屋重三郎とその時代』
これらの関連書籍とあわせて読むことで、大河ドラマ「べらぼう」の世界をより一層深く味わうことができるだろう。