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2025年最注目ミステリー『エレガンス』発売へ|石川智健が描く東京大空襲と洋装女性連続不審死の謎


気鋭のミステリー作家、石川智健氏による最新長編『エレガンス』が、2025年7月28日に河出書房新社より刊行される。本作は、第二次世界大戦末期の東京を舞台に、〈東京大空襲〉と〈洋装女性の連続不審死事件〉という二つの未曾有の事態に迫る傑作ミステリーだ。全国の書店員からは「圧倒されました」「壮絶なラスト」など激賞の声が相次いでおり、戦後80年の節目に放たれる2025年の最注目作として期待が高まっている。

東京大空襲下で追う連続不審死の真相

物語の舞台は、空襲が激化する1945年1月の帝都・東京。主人公は、実在した二人の人物である。一人は、東京大空襲の惨状を記録した33枚の写真で知られる警視庁所属の写真家・石川光陽。もう一人は、のちに自殺か他殺かの判断基準となる防御創“吉川線”を考案した、鑑識捜査の第一人者・吉川澄一である。

当時、世間を騒がせていたのは、洋装の女性ばかりが立て続けに首を吊って亡くなる〈釣鐘草の衝動〉と呼ばれる連続不審死事件。自殺として処理されつつあったこの事件を再捜査せよとの特命が、光陽にくだる。

光陽が撮った現場写真を見た吉川は、頸部索溝(けいぶさっこう)の痕跡などから他殺を確信。日に日に激しさを増す空襲の脅威に晒されながらも、二人は事件の真相を追う。

「犯罪を見逃すのは、罪を許容することと同義です。空から爆弾を落として罪なき人々を殺している行為を容認することと同じなんです」

戦争という巨大な暴力の前で、一つの殺人事件を追う意味とは何か。吉川のこの言葉は、作品全体を貫く重い問いを読者に投げかける。

 

『エレガンス』のあらすじ

空襲が激化する1945年1月、警視庁でただ一人、ライカのカメラを扱える石川光陽。彼の任務は、戦禍の街並みや管内の事件現場をフィルムに収めることだった。 折しも世間では、女性四名の連続首吊り自殺が報じられていた。四人は全員、珍しい洋装姿で亡くなっており、花のように広がったスカートが印象的なため〈釣鐘草の衝 wollte〉と呼ばれ話題となっていた。

ある日突然、警視庁上層部から連続する首吊り事件の再捜査命令が光陽にくだる。彼と組むのは内務省防犯課の吉川澄一。光陽が撮った現場写真を見た吉川は、頸部索溝や捜査記録の重要性を説く。自殺説に傾く光陽に対し、吉川は他殺を疑っていた。

捜査が進む中で、四人の女性にはある共通点が判明。激しさを増す空襲の中でも、光陽と吉川による必死の捜査が続き、やがて戦時中でも洋装を貫く一人の女性協力者が二人の前に現れる――。

本作は、極限状況下で犯罪を追う男たちの物語であると同時に、統制下でも自分らしく美しくありたいと願った、気高い女性たちの物語でもある。著者の石川智健氏が「作家生命のすべてを懸けた」と語る渾身の一作だ。

 

全国の書店員から絶賛の声が続々

発売前から、本作を読んだ全国の書店員からは絶賛の声が寄せられている。

  • 「驚きの専門的手法で、アプローチしていく様子が、とにかくすごい!」 ――宗岡敦子さん(紀伊國屋書店福岡本店)
  • 「読後、何日もこの作品が身体に残り続けました」 ――村上望美さん(田村書店吹田さんくす店)
  • 「壮絶なラストの描写は息をすることさえも憚られるほど圧巻」 ――小出美都子さん(有隣堂藤沢本町トレアージュ白旗店)
  • 「あの戦時下でも殺人事件は起き、捜査しようとした人々はいたんだなと、当然のことではあるが気づかされた」 ――大森輝美さん(紀伊國屋書店さいたま新都心店)
  • 「戦後80年、全世界に伝えたい小説」 ――山田恵理子さん(うさぎや矢板店)
  • 「圧倒されました。生きるということ。目的を持つということ。空襲に怯える日々の中で、自分に正直に生きている人々の強さが光る」 ――山本智子さん(文真堂書店ビバモール本庄店)

 

著者・石川智健について

石川智健(いしかわ・ともたけ)氏は1985年神奈川県生まれ。2012年に『グレイメン』でデビューして以来、『60 誤判対策室』シリーズや『アクトアップ 警視庁暴力班』など、骨太な警察小説・ミステリーを数多く手掛けてきた実力派作家である。

 

書誌情報

書名 エレガンス
著者 石川智健
仕様 四六判/並製/360頁
発売⽇ 2025年7⽉28日
税込定価 2,178円(本体1,980円)
ISBN 978-4-309-03974-9
出版社 河出書房新社