1984年の大ヒット映画『グレムリン』の待望の続編、『グレムリン3』の製作が、ついに現実味を帯びてきた。初代で主人公ビリー・ペルツァーを演じた俳優ザック・ギャリガンが、イギリスで開催されたコミコン・マンチェスターに登壇し、プロジェクトの最新状況を明らかにした。
脚本は完成、ワーナーも製作に意欲
ギャリガンはイベントの観客に対し、「35年の時を経て、ついに脚本が完成した」と語った。さらに、「ワーナー・ブラザースはこの企画に非常に乗り気だ。あとは(製作総指揮の)スティーブン・スピルバーグ氏が脚本を読んで承認するのを待つだけだ」と明かし、プロジェクトが最終段階に近づいていることを示唆した。
この発言は、長年続編を待ち望んでいたファンにとって大きな朗報である。ワーナー・ブラザースからの正式なコメントはまだ出ていないものの、主演俳優自らが語ったことで、その信憑性は高いと見られている。
背景に『ビートルジュース』続編の大成功
ギャリガンは、『グレムリン3』製作の機運が高まった背景として、2024年9月に公開された『ビートルジュース ビートルジュース』の成功を挙げた。ティム・バートン監督によるこの作品は、1980年代の名作の続編として全世界で$4億5200万ドルの興行収入を記録する大ヒットとなった。
同じく80年代を象徴するカルト的人気を誇る『グレムリン』も、この成功例に続く形で続編製作への追い風が吹いていると考えられる。
『グレムリン』フランチャイズの現在
『グレムリン』シリーズは、1990年に続編『グレムリン2 新・種・誕・生』が公開されたほか、数々のビデオゲームが発売されてきた。近年では、前日譚を描くアニメシリーズ『グレムリン: モグワイの秘密』(シーズン2のサブタイトルは『The Wild Batch』)が2023年から配信されており、ギャリガン自身もゲスト声優として出演している。
また、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズの共同代表であるパム・アブディ氏は、2025年4月のインタビューで、スピルバーグ監督の製作会社アンブリン・エンターテインメントと共に『グレムリン』と『グーニーズ』の新作を開発中であると認めており、スタジオ側もシリーズの再始動に前向きな姿勢を見せていた。
監督・脚本家は未定、今後の発表に期待
現時点で『グレムリン3』の監督や脚本家は公式に発表されていない。しかし、脚本がスピルバーグ氏の元にあるという事実は、プロジェクトが大きく前進したことを意味する。
初代『グレムリン』は、全世界で$2億1200万ドルを稼ぎ出し、その過激な描写がきっかけで『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』と共に「PG-13」のレーティングが創設されたことでも知られている。続編は興行的に前作を下回ったものの($4100万ドル)、その独特な作風で今なおカルト的な人気を誇る。
ファンの長年の夢である『グレムリン3』の実現に向けて、今後のスピルバーグ氏の判断とワーナー・ブラザースからの公式発表に大きな期待が寄せられる。