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元スーパーマン俳優ディーン・ケイン、トランプ支持を公言。ハリウッドを離れ「信仰映画」で成功する現在地とは?


米エンターテインメント業界誌Varietyのポッドキャスト「Daily Variety」最新エピソードで、テレビドラマ『ロイス&クラーク/新スーパーマン』でスーパーマン役を演じた俳優ディーン・ケインの現在が特集された。ドナルド・トランプ前大統領への支持を公言し、ハリウッドの主流とは異なる道を歩む彼のキャリアが、同誌のインタビューを通じて明らかになった。

 

トランプ支持を公言、孤立を恐れない

Variety誌のタチアナ・シーゲル記者は、ラスベガスにあるケインの自宅で直接インタビューを行った。その中でケインは、自身のキャリア、スーパーマンという役がもたらしたもの、そしてトランプ支持に対するハリウッドの反応について率直に語ったという。

シーゲル記者はポッドキャストで、「彼は非常に誠実かつ率直だった。また、強い自信を持っており、『トランプ支持者であることでハリウッドののけ者になるだろうか』といった心配は全くしていないようだった」とケインの様子を語った。

実際に、映画『ブロークン・ハーツ・クラブ』(2000年)でケインを監督したグレッグ・バーランティ氏をはじめ、過去に彼と仕事をした人々も取材に快く応じており、ケインが業界内で完全に孤立しているわけではないことも示唆された。

 

ハリウッドの「パラレル・ユニバース」で新たなキャリアを確立

近年、ケインはハリウッドの主流スタジオとは一線を画し、主に「信仰に基づく映画(faith-based film)」の監督、主演、製作に情熱を注いでいる。

シーゲル記者はこの活動領域を「ハリウッドのすぐそばで機能しているが、完全にはハリウッドではない、一種のパラレル・ユニバース」と表現。この市場は、世界的なヒット作『The Chosen』の例に見られるように、無視できない経済的な力を持つコミュニティへと成長している。ケインは、この独自の経済圏で新たなキャリアを確立しているのだ。

 

一方、米広告市場では「スポーツ中継」が覇権を握る

同ポッドキャストでは、テレビ業界の広告市場に関する最新動向も分析された。Variety誌のシニアTVエディターであるブライアン・スタインバーグ氏は、ディズニー、NBCユニバーサル、フォックスといった大手メディア企業がアップフロント(先行広告枠販売)を終えた現状を解説した。

今年の顕著な傾向として、大手広告主が巨額の予算を「スポーツ、スポーツ、そしてさらにスポーツ」に投じていることが挙げられる。

スタインバーグ氏は、「ストリーミング時代において、多くの視聴者が同時に同じものを見る機会を見つけるのは非常に難しくなった」と指摘。ピザハットやマクドナルド、ナイキといった大手広告主にとって、大規模な同時視聴が見込めるスポーツ中継やライブイベント、授賞式などの価値がこれまで以上に高まっていると分析した。俳優個人の政治的信条がキャリアに影響を与える一方で、メディア業界全体は視聴者を確実に集めるコンテンツへと資金を集中させている構図が浮き彫りになった。