お友達AI人形の恐怖を描き、世界的な大ヒットを記録したホラー映画の続編『M3GAN/ミーガン 2.0』。2025年10月10日(金)に予定されていた日本での劇場公開が、このほど正式に中止されることが決定した。日本の配給公式X(旧Twitter)アカウントが発表したが、その具体的な理由は明かされていない。
『M3GAN/ミーガン 2.0』劇場公開中止のお知らせ
10月10日(金)に日本劇場公開を予定しておりました『M3GAN/ミーガン 2.0』につきまして、劇場公開を中止することを決定いたしましたのでお知らせいたします。
日頃のご支援に感謝申し上げるとともに、ご理解のほどお願い申し上げます。 pic.twitter.com/C9ivXNRaLM— 映画『M3GAN/ミーガン 2.0』公式 (@m3gan_JP) August 1, 2025
『M3GAN/ミーガン 2.0』日本での劇場公開が正式に中止
日本の配給公式は2025年8月1日、「10月10日(金)に日本劇場公開を予定しておりました『M3GAN/ミーガン 2.0』につきまして、劇場公開を中止することを決定いたしました」と発表した。ファンにとっては非常に残念な知らせとなったが、中止に至った詳細な理由は説明されていない。
全米での厳しい興行成績
公開中止に関連するか不明だが、全米で興行収入は伸び悩んでいる。本作のオープニング週末興行収入は、約1,020万ドル(約16億円)。製作費2,500万ドル(約40億円)のホラー映画としては決して悪い数字ではない。しかし、前作『M3GAN/ミーガン』が記録したオープニング週末興収3,042万ドル(約48億円)と比較すると、その勢いはわずか3分の1にとどまる結果となった。
世界興収も1,715万ドル(約27億円)と伸び悩み、前作の社会現象的なヒットを再現するには至らなかった。
路線変更が裏目に?批評家と観客で割れる評価
映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」では、批評家スコアが58%と厳しい評価だったのに対し、観客スコアは83%と比較的高い支持を得ている。また、観客の満足度を示す「CinemaScore」では「B+」評価となった。
この評価の乖離は、作品の路線変更に起因する可能性がある。前作は、不気味なAI人形が巻き起こす予測不能な恐怖が魅力のホラー作品だった。しかし、続編では『ターミネーター』を彷彿とさせるようなSFアクション要素が強まった。この路線変更が、一部の批評家や前作ファンから「ホラー作品としてのミステリアスな魅力が失われた」と見なされた可能性は否定できない。
プロデューサーが語る興行不振の理由「典型的な過ち」
シリーズの生みの親であるプロデューサーのジェイソン・ブラムは、ポッドキャスト番組「The Town」で興行不振について率直に語っている。
「私たちは皆、ミーガンをスーパーマンのような存在だと思っていた。ジャンルを変えても、夏に公開しても、ビジュアルを変えても、悪役からヒーローにしても通用すると信じていた。観客との“つながりの強さ”を過信し、典型的な過ちを犯してしまったんだ」
ブラム氏は、キャラクターの持つ力を過信し、大胆な路線変更に踏み切ったことが裏目に出たことを認めた。一方で、「ホラー映画をクレイジーなSFアクションに変えられるか試したかった。この試みが商業的に成功しなかったとしても、今後の続編制作者たちに“前作と同じようなものしか作ってはいけない”とは思ってほしくない」と、その挑戦的な意図も語っている。