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『愛の、がっこう』第3話レビュー:本心はどこに?木村文乃とラウールの熱演が光る心の探り合い


教師とホスト、交わるはずのなかった二人の世界が少しずつ重なり始めたドラマ『愛の、がっこう』。第3話では、小川愛実(木村文乃)とカヲル(ラウール)の間に流れる感情が、より複雑な様相を呈してきた。相手を想う純粋な気持ち、教師としての使命感、ホストとしての営業戦略、そして嫉妬。様々な感情が交錯する中で、二人の「本心」はどこにあるのか。木村文乃とラウールが見せる繊細なパフォーマンスを中心に、第3話を振り返る。

教師として、一人の女性として。愛実の心の解放と木村文乃の表現力

これまで自信なさげだった愛実が、教壇で自身の失敗談を語るシーンは、彼女の大きな成長を感じさせた。父親の言いなりだった過去を乗り越え、自らの意志で教師になったと語る姿は、清々しく力強い。この変化を、木村文乃は表情や声のトーンで見事に表現し、愛実というキャラクターに確かな説得力を与えている。

その一方で、カヲルとの「授業」は、彼女にとって特別な時間となっている。文字を教えることに純粋な喜びを見出し、彼の世界が広がることを心から願う姿は、まさに教師そのものだ。しかし、その熱心さは、同僚に「無理な押し付けは禁物」と忠告されるほど。カヲルといる時の生き生きとした表情は、婚約者・洋二(中島歩)といる時とは明らかに違う。それは単なる教師としての使命感なのか、それとも一人の女性としての特別な感情なのか。親友の百々子(田中みな実)にカヲルのことを知らないと嘘をついてしまう場面は、愛実自身もその感情の正体に気づき、戸惑っていることを示唆している。

計算か、純粋さか。カヲルの本心を覆い隠すラウールのミステリアスな魅力

愛実の変化に対し、カヲルは依然として本心を見せない。愛実に優しく教えられれば「何もかも冗談に思えてくる」と嘯き、突然授業を投げ出すような態度を見せる。それは、うまく文字が書けなかった過去のトラウマから来る防衛本能なのか。それとも、相手を怒らせることで警戒を解くという、彼なりのコミュニケーション戦略なのか。

ラウールは、この掴みどころのないカヲルの二面性を巧みに演じている。愛実の前で見せる少し拗ねたような表情と、ホストとして客を魅了するプロの顔。そして、弟に本の読み聞かせをせがまれる場面でふと見せる、穏やかで優しい素顔。彼の行動一つひとつが、営業戦略なのか、それとも垣間見えた本心なのか、視聴者を巧みに惑わせる。愛実が課した宿題をきっちりこなし、拙いながらも心のこもった手紙を送るという行動は、彼の純粋な一面を期待させるが、その真意はまだ霧の中だ。

「住む世界が違う」――交錯する想いと嫉妬の行方

物語は、二人の間に横たわる「住む世界が違う」という現実を突きつける。愛実の生徒が「ホストとは住む世界が違う」と割り切る姿に胸を痛めた愛実自身もまた、カヲルの店でその壁を痛感することになる。

社長・明菜(吉瀬美智子)にいいように扱われるカヲルを見て、思わず「彼は馬鹿じゃない」と叫ぶ愛実。その声には、これまで彼女が見せたことのない、剥き出しの感情が宿っていた。それは、大切に育ててきた「生徒」を侮辱された怒りか、それとも特別な男性を守りたいという嫉妬か。この言葉にカヲルが心を動かされたように見えたのも、またホストとしての計算なのかもしれない。捨てたはずの手紙をゴミ箱から探し出し、5万円のシャンパンを注文する愛実の行動は、常識的だった彼女が、カヲルによって感情を大きく揺さぶられている証拠だ。

探り合いの先にあるものは

愛実のまっすぐな想いは、カヲルの閉ざされた心を開くことができるのか。カヲルが見せる優しさは、本物なのか。第3話は、二人の心の探り合いをスリリングに描き出した。木村文乃が見せる感情のグラデーションと、ラウールが放つミステリアスな魅力が、このドラマの大きな推進力となっている。婚約者の裏切り、親友の取材、そして強力なライバルの登場と、二人を取り巻く状況はますます複雑化していく。果たして、彼らは「住む世界」の違いを乗り越え、互いの本心に触れることができるのだろうか。今後の展開から目が離せない。

 

登場人物
小川愛実(木村文乃)
カヲル(ラウール(Snow Man))
町田百々子(田中みな実)
川原洋二(中島 歩)
竹千代(坂口涼太郎)
佐倉栄太(味方良介)
田所雪乃(野波麻帆)
沢口夏希(早坂美海)
つばさ(荒井啓志)
ヒロト(別府由来)
香坂奈央(りょう)
小川早苗(筒井真理子)
小川誠治(酒向 芳)
松浦小治郎(沢村一樹)
宇都宮明菜(吉瀬美智子)