北米最大級の日本ポップカルチャーの祭典「Anime Expo 2025」が、7月7日までの4日間の日程を終え、成功裏に閉幕した。主催の日本アニメーション振興会(SPJA)によると、来場者数は過去最高を記録した一方、イベントの将来的な開催地として長年のホームであるロサンゼルス市を再評価していることが発表された。
過去最高の延べ41万人以上が来場、経済効果は1億ドル超
ロサンゼルス・コンベンションセンターとその周辺施設で開催された第34回「Anime Expo」は、世界65カ国以上からファンが集結。4日間でのべ来場者数は41万人を超え、チケットは完売となった。このイベントが地元のホテルやレストラン、ビジネスにもたらした経済効果は1億1000万ドル(約176億円)以上と推定されている。
今年は年初にいくつかの課題に直面したものの、アニメ、ゲーム、ファッション、音楽、アートといった日本のポップカルチャーを祝うため、世界中のファン、クリエイター、業界関係者が再び一堂に会した。
豪華ゲストと1,300時間超のプログラムでファンを魅了
「Anime Expo 2025」では、1,300時間を超える多彩なプログラムが展開された。ライブコンサートや世界初公開となるワールドプレミア、限定上映会、コスプレショーケース、そして特別ゲストを招いたパネルディスカッションなどが会場を大いに盛り上げた。
今年のゲスト陣には、世界的に著名なクリエイターが名を連ねた。
- 『ファイナルファンタジーXIV』および『XVI』のプロデューサーである吉田直樹氏
- 『ローゼンメイデン』『しゅごキャラ!』で知られる漫画家ユニットPEACH-PIT
- 話題作『光が死んだ夏』の作者モクモクれん氏
- 『ひぐらしのなく頃に』『うみねこのなく頃に』シリーズで知られる竜騎士07氏
- 『SANDA』の作者である板垣巴留氏
- 4日間にわたるライブドローイングで来場者を魅了したアーティストの笹田靖人氏
さらに、日本の女子プロレスリーグ**「スケバン」**が、初の世界王座戦をAnime Expoの地で開催するなど、会場は大きな熱気に包まれた。イベントの規模拡大に伴い、会場はコンベンションセンターに加え、Peacock TheaterやPeacock Placeにまで広げられた。
開催地ロサンゼルスからの移転を検討、背景には会場問題
イベントの急激な成長とプロダクションニーズの進化、そして人件費や会場費の高騰を受け、主催のSPJAは長年の開催地であるロサンゼルス市を再評価していることを公式に発表した。
この背景には、2028年のオリンピック開催に向けて予定されていたロサンゼルス・コンベンションセンターの大規模な拡張計画が不透明になっていることがある。
SPJAのCEOであるレイ・チャン氏は次のようにコメントしている。 「ロサンゼルス・コンベンションセンターは15年以上にわたり私たちのホームであり、市とコミュニティの継続的な支援に深く感謝しています。しかし、私たちの最優先事項は、常に来場者とパートナーに最高の体験を提供することです。次のステップを評価するにあたり、私たちは透明性を保ち、Anime Expoの未来にとって可能な限り最善の道を見出すことに全力を尽くします。」
今後のイベント情報
SPJAは、次のイベントとしてスピンオフ企画である「anime expo chibi」の準備を開始している。この小規模イベントは、2025年11月8日と9日にカリフォルニア州オンタリオで開催される予定だ。チケットは現在、ShowClixを通じて購入可能である。