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新生パラマウント、「ストレンジャー・シングス」制作者ダファー兄弟と包括契約交渉か Netflixから引き抜きへ


世界的な大ヒットドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のクリエイターであるマット&ロス・ダファー兄弟が、Netflixを離れ、米パラマウント・グローバルと包括的な制作契約を結ぶ可能性があることが報じられた。これは、スカイダンスとの経営統合を経て新体制となったパラマウントにとって、コンテンツ戦略を大きく左右する野心的な一手となる可能性がある。

 

新CEOデビッド・エリソン体制の象徴的案件

この交渉は、パラマウントの新CEOに就任したデビッド・エリソン氏の指揮下で進められていると見られる。エリソン氏が率いていたスカイダンス・メディアとパラマウントは$80億規模の合併を完了したばかりであり、その新体制の第一週でこの大型案件が浮上したことは、同社がトップクリエイターの獲得に極めて積極的であることを示している。

報道によると、契約の詳細はまだ不明だが、ストリーミング配信と映画製作の両方をカバーする大規模なものになる見込みだ。実現すれば、パラマウントが今後のコンテンツ業界の覇権争いにおいて本気であることを示す、強力なメッセージとなるだろう。

 

Netflix時代の「恩師」との再会

この移籍が実現した場合、ダファー兄弟はかつての「恩師」ともいえる2人の重要人物と再会することになる。一人は、現在パラマウントのストリーミング部門を率いるシンディ・ホランド氏だ。ホランド氏はNetflixで全英語作品を統括していた時代に「ストレンジャー・シングス」の企画にゴーサインを出した人物として知られている。

もう一人は、現在パラマウントTVスタジオの社長を務めるマット・サネル氏である。サネル氏はNetflixのオリジナルシリーズ担当バイスプレジデントとして同作を支え、2022年にスカイダンスに移籍していた。かつて自分たちの才能を見出し、成功へと導いた経営陣がパラマウントに集結していることが、今回の交渉の大きな要因となっている可能性がある。

 

シーズン5で完結する「ストレンジャー・シングス」

ダファー兄弟は現在、制作会社「アップサイド・ダウン・ピクチャーズ」を通じてNetflixと契約を結んでいる。「ストレンジャー・シングス」は来るシーズン5で完結することが決定しており、両社はその後も新作ドラマ「The Boroughs」などのプロジェクトで協業を続ける予定だった。

今回の報道に対し、パラマウントはコメントを控えている。

 

株価も急騰、変革期を迎えるパラマウント

エリソン氏の新CEO就任後、パラマウントの市場からの評価は極めて高い。同社の株価は今週初めに36%以上も急騰した。エリソン氏やホランド氏らがコンテンツへの積極的な投資を表明したことが、投資家から好意的に受け止められたと見られている。

さらに同社は、人気格闘技団体UFCとの間で$77億にのぼる放映権契約を締結したことも発表しており、コンテンツIPの確保に向けて矢継ぎ早に手を打っている。今回のダファー兄弟との交渉は、この一連の変革を象徴する動きであり、今後のエンターテインメント業界の勢力図を塗り替える可能性を秘めている。