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【イエローストーンの仕掛人】テイラー・シェリダン、パラマウントと提携しテキサス州に巨大スタジオを開設 州の優遇策が追い風に


『イエローストーン』や『タルサ・キング』など、数々のヒット作を手掛ける脚本家・監督のテイラー・シェリダン氏が、パラマウント・ピクチャーズと提携し、テキサス州に新たな大規模撮影スタジオを開設した。この動きは、テキサス州が映画・テレビ番組制作に対する優遇措置を大幅に拡充したことを受けてのものであり、ハリウッドの制作拠点が新たな時代を迎える可能性を示唆している。

テキサス州最大級の撮影ハブがフォートワースに誕生

新たに開設されたスタジオは、テキサス州フォートワースの「アライアンス・テキサス」開発地区に位置する。不動産開発会社ヒルウッドが、シェリダン氏のSGSスタジオおよびパラマウント・テレビジョンと提携して実現したこのプロジェクトは、敷地面積45万平方フィート(約41,800平方メートル)を誇り、テキサス州で最大規模の撮影施設になるとみられている。

この広大なキャンパスには6つのサウンドステージが完備されており、最大で4つの大規模な映像作品の制作を同時に進行させることが可能である。今後、このスタジオはシェリダン氏が手掛ける『Landman』や『Lioness』、『The Madison』といった、いわゆる「シェリダン・バース」作品群の主要な制作拠点となる予定だ。

背景にあるテキサス州の積極的な制作誘致策

今回のスタジオ開設の大きな後押しとなったのが、テキサス州による映画・テレビ番組へのインセンティブ(優遇)プログラムの強化である。州は今夏、ハリウッド制作に割り当てる補助金を2年ごとに1億ドル増額することを決定した。この資金提供は2035年まで承認されており、今後10年間で最大15億ドルもの現金助成が制作会社に提供される見込みだ。

この強力な補助金制度により、テキサス州を含む南部諸州は、エンターテインメントおよびメディア業界における制作の主要な目的地としての地位を確立しつつある。

関係者が語るビジョン「テキサスを世界の映画産業の中心に」

ヒルウッド社のマイク・ベリー社長は、「テキサスが映画産業において世界的な力となる極めて重要な瞬間にいる。特に北テキサスは、その発展の中心的な役割を果たすための立地とリソースを提供できる」と声明で述べた。さらに、このプロジェクトを通じて雇用を飛躍的に増やし、数千人規模の未来の映画産業従事者を育成していく考えも示している。

一方、テイラー・シェリダン氏は、テキサスに拠点を置く動機について独自の見解を語った。「SGSスタジオは単なるサウンドステージやインセンティブのためだけのものではない。この業界を築き上げた独立心と気骨を取り戻すためのものだ。テキサスは、大きく夢を見るための空間、迅速に物事を築き上げる自由、そして物語が今もなお重要だと信じるコミュニティという、稀有なものを提供してくれる」とコメントした。

また、パラマウントのグローバル・プロダクション責任者であるケリ・パニチ・フリント氏は、「テイラー、パラマウント、そして101スタジオが思い描く世界を創造するためには、世界クラスの施設とパートナーが必要不可欠だ」と述べ、今回の提携への期待を寄せた。

すでに稼働開始、新時代のコンテンツ制作拠点へ

「SGS1」「SGS2」として知られるこのスタジオは、空調設備を備えた2つの建物で構成され、サウンドステージ、美術製作スペース、衣装部門、グリーンスクリーン設備などを統合的に提供する。ペロー・フィールド空港やダラス・フォートワース国際空港にも近い戦略的な立地も特徴だ。

現在、この施設ではシェリダン氏の新作ドラマ『Landman』シーズン2の撮影が進行中であり、すでに本格的な稼働を開始している。広大な牧草地から賑やかな都市の中心部まで、多様な景観へのアクセスと、拡大する制作インフラ、そして低コストという利点を活かし、テキサス州がメディアとエンターテインメントの世界的中心地となる未来は、そう遠くないかもしれない。

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