ソニー傘下のクランチロールが海外配給を手掛ける『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が、週末に公開された東南アジア8市場において、オープニング週末興行収入1,750万ドルという驚異的な数字を記録したとDeadlineが報じている。これは同地域におけるアニメーション映画のオープニング記録を塗り替える成績だ。
『無限列車編』『アナ雪2』超え、東南アジアのアニメ興行記録を更新
7月に日本で公開され大ヒットを記録している『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』が、海外市場でもその圧倒的な人気を見せつけている。先週末に封切られた東南アジアの8市場において、オープニング週末だけで興行収入$17.5M(約25.5億円)を達成した。
この数字は、社会現象を巻き起こした前作『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が同地域で記録した累計興行収入をわずか3日間で上回るものだとDealineは指摘。さらに、ディズニーの『アナと雪の女王2』が保持していた記録をも打ち破り、同地域グループにおけるアニメーション映画のオープニング興行収入で歴代最高額を更新したという。さらに、このオープニング成績は、『インサイド・ヘッド2』や『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』といった近年のヒット作の2倍以上となる成績であり、『鬼滅の刃』というIP(知的財産)の国際的なブランド力の高さを改めて証明した形だ。
今後の焦点は9月の米国公開とその持続力
今後、米国、メキシコ、オーストラリア、英国、スペイン、フランス、ドイツといった主要市場での公開が控えており、最終的なグローバル興収はさらなる高みを目指すことになる。
特に注目されるのが、9月12日に公開が予定されている米国市場の動向だ。配給を手掛けるソニー傘下のクランチロールは、これまでも『鬼滅の刃』シリーズで大きな成功を収めてきた。『無限列車編』は2020年に$21.2Mのオープニング興収を記録し、その年の全世界興行収入1位に輝いた。続く『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』(2023年、$10.1M)、『「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』(2024年、$11.5M)も安定した成績を残している。
アメリカの映画興行メディアBox Office Proは、『無限城編』の米国オープニング週末興行収入は12Mから20Mの範囲になると予測している。一方で、アニメ映画は熱心なファンが公開初週に集中する傾向があり、2週目以降の興行収入が大幅に落ち込むという課題があると同誌は指摘。『無限列車編』は2週目に-69.5%、『「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』は-82%という大幅な下落率を記録した。いかに興行の持続力(Staying Power)を維持できるかが、米国市場における成功の鍵となりそうだ。