伝説の始まり、NBAドラフトの舞台裏を描く
バスケットボール界の伝説的スーパースター、故コービー・ブライアントがNBAのロサンゼルス・レイカーズに入団するまでの運命的な道のりを描く映画プロジェクトが、大手スタジオのワーナー・ブラザースで始動したことが明らかになった。
このプロジェクトは、アレックス・ソーン氏とギャビン・ヨハンセン氏が執筆した『With the 8th Pick』と題された脚本を基に進められる。多くのスタジオや配信サービスが高い関心を示す中、ワーナー・ブラザースが他社に先駆けて先制的に脚本の権利を獲得した。現時点で監督は未定である。
描かれるのは「もしも」の物語 ─ 運命を変えたドラフト8位指名権
本作は、コービー・ブライアントが高校から直接NBA入りを目指した1996年のドラフトが舞台となる。物語の中心となるのは、当時ドラフト8位指名権を保持していたニュージャージー・ネッツ(現ブルックリン・ネッツ)と、そのゼネラルマネージャーであったジョン・ナッシュ氏だ。
ネッツは当時、高校生のコービーを指名することを真剣に検討していたという。史実では、コービーはシャーロット・ホーネッツに13位で指名された後、すぐさまレイカーズにトレードされ、そこでNBAチャンピオン5回という輝かしいキャリアを築き、ロサンゼルスの象徴となった。
この映画は、もしネッツが8位でコービーを指名していたらNBAの未来はどう変わっていたのか、という歴史の分岐点となった緊迫のプロセスを詳細に描くものになる。
『マネーボール』や『AIR/エア』を彷彿とさせる作品に
このプロジェクトは、ブラッド・ピット主演の『マネーボール』や、Facebookの誕生を描いた『ソーシャル・ネットワーク』、そしてマイケル・ジョーダンとナイキの伝説的なパートナーシップの始まりを追ったベン・アフレック監督作『AIR/エア』のような要素を持つ作品と評されている。わずかな判断の違いが、その後のNBAの歴史を大きく変えたであろう重要な意思決定の裏側が描かれることになる。
豪華製作陣が集結
プロデューサーには、Star Thrower Entertainmentのティム・ホワイト氏とトレバー・ホワイト氏、そしてReligion of Sportsのライアン・ストウェル氏が名を連ねる。また、NFLのレジェンドであるトム・ブレイディ氏やマイケル・ストレイハン氏らと共にReligion of Sportsを共同設立したゴッサム・チョプラ氏もプロデューサーとして参加する。
脚本家のアレックス・ソーン氏は、同じくReligion of Sportsが手掛けるNetflixのジョン・マッデン(NFLの伝説的コーチ兼解説者)に関するプロジェクトの脚本も担当している。
2020年にヘリコプターの墜落事故により、13歳の娘ジアンナさんと共に41歳の若さでこの世を去ったコービー・ブライアント。彼の伝説が始まった運命の1日を描くこの映画は、多くのバスケットボールファンの注目を集めることになりそうだ。