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ジュリア・ロバーツ、新作『After the Hunt』で警鐘 「人類は“会話の芸術”を失いつつある」―ヴェネツィア映画祭で語る


第82回ヴェネツィア国際映画祭で現地時間2025年8月29日、ルカ・グァダニーノ監督の最新作『After the Hunt』の記者会見が開かれ、主演のジュリア・ロバーツが登壇した。ロバーツは、本作が現代社会で失われつつある「対話」を促すきっかけになることへの期待を語った。

 

議論を呼ぶ心理ドラマ『After the Hunt』

 

Amazon MGM Studiosが製作する『After the Hunt』は、現代社会の複雑な問題を鋭くえぐる心理ドラマである。物語は、大学教授のアルマ・インホフ(ジュリア・ロバーツ)が、自身のキャリアと私生活の岐路に立たされるところから始まる。彼女の優秀な教え子であるマギー(アヨ・エデビリ)が、同僚のハンク(アンドリュー・ガーフィールド)から暴行を受けたと告発したことで、事態は一変。調査が進むにつれ、アルマ自身がひた隠しにしてきた過去の暗い秘密までもが暴かれそうになる、という緊張感あふれるストーリーだ。

監督は『君の名前で僕を呼んで』で世界的な評価を得たルカ・グァダニーノ。脚本はノラ・ギャレットが手掛け、共演にはクロエ・セヴィニーやマイケル・スタールバーグといった実力派俳優が名を連ねている。

 

ジュリア・ロバーツ「私たちは議論を巻き起こしたい」

 

記者会見では、本作がフェミニズムの闘いを後退させるものではないか、という鋭い質問が投げかけられた。これに対しロバーツは、笑顔を見せながらも力強く反論した。

「この映画では、多くの古い議論が新たな形で活性化されており、それがまさに対話を生み出すのです。皆さんが映画館を出た後、この作品について語り合ってくれたという事実こそ、私たちが望んでいたこと。観客一人ひとりが異なる感情や視点を持つ。私たちは皆さんの信念を揺さぶり、問題提起をしたいのです」

さらにロバーツは、現代社会が直面するコミュニケーションの危機について言及した。

「私たちは今、人間性における“会話の芸術”を失いつつあります。もしこの映画が何かを成し遂げられるとしたら、それは人々の対話を促すこと。それこそが、私たちが達成できる最もエキサイティングなことだと感じています」と述べ、作品に込められたメッセージを強調した。

 

「困難な役柄こそが魅力」豪華キャストが語る

 

会見では、ロバーツと共演のアヨ・エデビリに対し、「なぜこれほど問題を抱えた女性を演じることに惹かれたのか」という質問も飛んだ。

ロバーツは「困難な役柄にこそ、面白さがあるのです。ノラが脚本に描いた複雑さこそが、この素晴らしいキャストを集結させた理由です」と回答。一方、エデビリも「挑戦的な役柄を演じることは夢のようでした。挑戦こそが俳優を成長させてくれるのです」と語り、役柄の持つ複雑さが創造性を刺激したことを明かした。

映画『After the Hunt』は、同日夜にヴェネツィア国際映画祭でワールドプレミア上映が行われる。物議を醸すテーマを扱いながらも、人間関係の本質と対話の重要性を問う本作は、世界中の観客に大きな議論を巻き起こすことになりそうだ。

ソース:Julia Roberts Talks ‘After the Hunt’ and Loss of “Art of Conversation”