吾峠呼世晴原作のアニメ『鬼滅の刃』の劇場版最新作、『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来(Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Infinity Castle)』が、北米の映画市場で歴史的な記録を打ち立てる見込みだ。今週末のオープニング興行収入(公開から最初の3日間)において、アニメ映画としての歴代最高記録を更新する可能性が濃厚となっている。
記録更新は確実か、驚異的な興収予測
現地時間9月10日に報じられた内容によると、配給を手がけるソニー・ピクチャーズ(クランチロール経由)は、本作のオープニング興行収入を3,100万ドルを上回り、北米における日本製アニメ映画のオープニング興収歴代1位となる。
しかし、業界関係者の間では、この公式予測をさらに上回るという強気な見方が広がっている。一部では、6,000万ドルを超える驚異的な数字に達する可能性があると予測されており、アニメ映画の枠を超えた大ヒットへの期待が高まっている。
ヒットを裏付ける記録的な前売り券販売
この強気な予測の背景には、記録的な前売り券の販売実績がある。8月中旬の時点で、前売り券の売上はわずか4日間で$1,000万ドルを突破。これは日本製のアニメ映画としては異例の速さだ。
関係者によると、現在の前売り売上はすでに$1,500万ドルをはるかに超えているとの情報もあり、ファンの熱狂ぶりを物語っている。上映はIMAXやPLF(プレミアム・ラージ・フォーマット)といった高付加価値スクリーンを含む全米約3,300館で開始される予定で、興行収入をさらに押し上げる要因となりそうだ。
予測における懸念点とファンの動向
一方で、一部には慎重な見方も存在する。アニメ映画の観客は熱心なファンが多く、前売り券を購入して公開後すぐに鑑賞する傾向が強い。そのため、公開2日目以降の週末に観客が大きく伸びる「ウォークアップ」と呼ばれる現象が起きにくく、興行収入の大部分が前売り段階で確定している可能性があるという指摘だ。
しかし、本作の前売り券は公開週だけでなく、翌週末の分まで好調に売れているとの情報もあり、この懸念を覆す持続的なヒットとなる可能性も秘めている。特に25歳以下の男女からの支持が非常に高いと分析されている。
『無限城編』とは?三部作の壮大な幕開け
本作は、最終決戦を描く三部作の第一作目にあたる。主人公・竈門炭治郎や仲間たちが、宿敵・鬼舞辻無惨との最終決戦の地となる「無限城」に引きずり込まれ、最強の鬼である上弦の鬼たちとの死闘を繰り広げるという内容だ。
すでに日本国内で2億7,300万ドルに迫っている。この世界的な成功が、北米での期待感をさらに高めている。
活況を呈する9月の北米映画市場
『鬼滅の刃 無限城編』が公開される今週末は、他にも話題作が目白押しだ。人気ホラーシリーズの『The Conjuring: Last Rites』や、人気英国ドラマの劇場版完結編『Downton Abbey: The Grand Finale』などが公開され、週末全体の興行収入はコロナ禍以降の9月中旬としては最高の水準に達すると予測されている。
その中でも『鬼滅の刃 無限城編』は最大の注目作であり、日本のコンテンツが再び北米市場で新たな金字塔を打ち立てるか、その結果に大きな注目が集まっている。