アニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が、公開初週末の北米興行収入で推定7000万ドル(約105億円)を記録し、週末興行収入ランキングで初登場1位に輝いた。この成績は、日本のアニメ映画のオープニング記録を25年ぶりに更新する歴史的な快挙であると同時に、2025年に公開された全作品の中でも初日3日間の成績で暫定トップ10に入る驚異的なスタートとなった。
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『鬼滅の刃 無限城編』が年間ランキングトップ10入り
『鬼滅の刃 無限城編』が記録した7000万ドルというオープニング興行収入は、2025年の全米オープニング興行収入ランキングにおいて、暫定10位にランクインする。
この結果、トム・クルーズ主演の人気シリーズ最新作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(約6403万ドル)や、ブラッド・ピット主演で話題の『F1/エフワン』(約5700万ドル)といった数々のハリウッド大作を上回る快挙を成し遂げた。日本のコンテンツが、北米市場で超大作と肩を並べる興行成績を収めたことは、その人気の高さを改めて証明した形だ。
2025年 全米オープニング興行収入ランキング(2025年9月15日時点 暫定)
順位 | タイトル | オープニング興収 |
1 | マインクラフト/ザ・ムービー | $162,753,003 |
2 | リロ&スティッチ | $146,016,175 |
3 | スーパーマン | $125,021,735 |
4 | ファンタスティック4:ファースト・ステップ | $117,644,828 |
5 | ジュラシック・ワールド/復活の大地 | $92,016,065 |
6 | キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド | $88,842,603 |
7 | ヒックとドラゴン | $84,633,315 |
8 | 死霊館 最後の儀式 | $84,006,121 |
9 | サンダーボルツ* | $74,300,608 |
10 | 鬼滅の刃 無限城編 | $70,000,000 (推定) |
11 | ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング | $64,036,428 |
12 | F1/エフワン | $57,001,667 |
13 | ファイナル・デッドブラッド | $51,600,106 |
14 | 罪人たち | $48,007,468 |
15 | Weapons | $43,501,217 |
16 | Dog Man | $36,001,940 |
17 | 28年後… | $30,002,966 |
18 | シャッフル・フライデー | $28,583,167 |
19 | バレリーナ:The World of John Wick | $24,501,663 |
20 | The Bad Guys 2 | $21,995,715 |
『ポケモン』の記録を25年ぶりに更新、アニメ映画の歴史を塗り替える
今回のオープニング興収は、1999年に公開された『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』が記録した3100万ドルを2倍以上も上回るもので、北米における日本のアニメ映画のオープニング興行収入記録を25年ぶりに更新した。
全世界での興行収入はすでに3億ドルを突破しており、特に日本では300億円以上を稼ぎ出し、同国の歴代興行収入ランキングで2位に入るなど、アジア各国でも大ヒットとなっている。
配給のソニーにとっても大きな成功
本作の配給はソニー傘下のアニメ配給会社クランチロールが手掛けた。このヒットは、夏の映画興戦で苦戦が続いていたソニーにとって大きな成功となった。興行収入はウィル・スミス主演の『バッドボーイズ RIDE OR DIE』(5650万ドル)を上回り、ソニー配給作品としては過去2年以上で最大のオープニング成績を記録した。
沈滞ムードだった映画業界を活性化
先週まで首位だったワーナー・ブラザースの『死霊館 最後の儀式』は2位に後退したものの、『鬼滅の刃 無限城編』の記録的なヒットにより、低迷が予想されていた9月の北米映画市場は大きく活性化した。週末の総興行収入は約1億4500万ドルに達し、前年の同週末と比較して50%増という大幅な伸びを見せている。
ComScoreのアナリスト、ポール・ダーガラベディアン氏は「アニメ映画は視覚的に大画面での体験に適しており、真にグローバルなジャンルだ」と分析。夏の不振を乗り越え、秋の映画市場への大きな期待感を示した。
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