現在大ヒット上映中の『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』が、物語の舞台であるインドでプレミア試写会を開催した。橋本昌和監督と主人公のしんのすけがデリーに駆けつけ、現地のファンから熱烈な歓迎を受けた。インドでは長年にわたり絶大な人気を誇る「クレヨンしんちゃん」。その熱気は、まさに灼熱であった。

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監督&しんちゃん登壇!デリープレミア試写会にファン200人が熱狂
9月26日(金)のインド全国公開に先立ち、9月14日(日)に首都デリーでプレミア試写会が開催された。本イベントは、国際交流基金が主催する日本映画祭『Japanese Film Festival』の一環として行われたものである。
上映前には橋本昌和監督としんのすけがステージに登壇。会場に集まった約200人のファンと現地メディアから大きな歓声で迎えられた。橋本監督は満面の笑みで「ナマステ!」とヒンディー語で挨拶し、会場は一気に一体感に包まれた。
上映が始まると、観客は笑い、歌い、物語に没入。映画を全身で楽しむインドならではの鑑賞スタイルで、会場のボルテージは最高潮に達した。上映後には再び橋本監督が登壇し、質疑応答を実施。「なぜボーちゃんを主要キャラクターに選んだのか?」といった制作に関する鋭い質問から、「インドのどこが好きか?」といった質問まで飛び交い、監督は一つひとつ真摯に回答した。
試写会には駐インド日本国大使の小野啓一氏も駆けつけ、「橋本監督としんちゃん、インドへようこそ!」とヒンディー語で歓迎のスピーチを行い、日印の文化交流を祝福した。

ヒンディー語版には『呪術廻戦』五条悟役の声優も参戦
9月26日(金)からインド全国で公開される本作は、ヒンディー語、タミル語、テルグ語の3言語吹き替え版で上映される。
特にヒンディー語版には、インドで絶大な人気を誇る声優陣が集結した。エリート刑事・カビール役(日本語版:山寺宏一)を演じるのは、『ONE PIECE』のゾロ役や『鬼滅の刃』の鬼舞辻無惨役で知られるSanket Mhatre(サンケット・マートレ)氏。また、大富豪・ウルフ役(日本語版:賀来賢人)は、『呪術廻戦』の五条悟役で「Crunchyroll Anime Award 2025」の最優秀声優賞(ヒンディー語)を受賞したLohit Sharma(ロヒット・シャルマ)氏が担当する。日本の人気アニメとも親和性の高い豪華声優陣の参加が、現地のファンの期待をさらに高めている。

インドで絶大な人気を誇る「クレヨンしんちゃん」
「クレヨンしんちゃん」は、インドで長年トップクラスの視聴率を維持する国民的アニメコンテンツである。その人気を証明するように、今年8月に開催されたインド最大級のアニメーションアワード『ANNアワード2025』では、前作『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』が「最優秀外国語長編アニメーション映画賞」を、キャラクターが「最優秀ライセンスキャラクター賞(インターナショナル部門)」を受賞し、2部門同時受賞の快挙を成し遂げている。
橋本監督によるアニメ制作ワークショップも大盛況
プレミア試写会の翌日15日(月)には、在インド日本国大使館の主催で、橋本監督によるワークショップがデリーの大学で開催された。約200人の参加者を前に、監督は日本のアニメーション制作の裏側を熱弁。「脚本はどのように作っているのか」「どうすれば監督になれるのか」といった専門的な質問が途切れることなく寄せられ、約1時間にわたる質疑応答は終始熱気に包まれた。

イベント終了後も監督の周りにはサインや写真を求めるファンの列ができ、インドにおける「クレヨンしんちゃん」と日本アニメへの関心の高さを改めて示した。
挿入歌「オラはにんきもの」インド3言語版が配信開始
インドでの劇場公開を記念し、劇中挿入歌『オラはにんきもの ~インドバージョン~』のインド3言語版(ヒンディー語・タミル語・テルグ語)が9月13日(土)より各種音楽配信サービスで配信を開始した。
オリジナル版はインドでも定番曲として親しまれているが、エキゾチックなアレンジが加わった新バージョンは、日本のファンも必聴である。
『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』概要
- インド劇場公開日: 2025年9月26日(金)
- 日本劇場公開日: 2025年8月8日(金) ※大ヒット上映中
【あらすじ】 春日部との姉妹都市記念で開催されるインドの「カスカベキッズエンタメフェスティバル」。ダンス大会で優勝し、インドに招待されたしんのすけたちカスカベ防衛隊。インド観光を楽しむ中、ボーちゃんが手に入れた「鼻の形」のリュックサックが引き金となり、邪悪な力に導かれた【暴君(ボーくん)】へと豹変してしまう。世界を揺るがす力を手にしたボーちゃんを、しんのすけたちは元に戻すことができるのか。笑いと涙の友情ダンスエンターテインメントが、今、幕を開ける。
©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2025