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「もう二度と、会えないあなた」へ。草なぎ剛『終幕のロンド』、遺品整理士が紡ぐ孤独と再生の物語


草なぎ剛を主演に迎えた新ドラマ『終幕のロンド ―もう二度と、会えないあなたに―』が放送開始された。本作が取り上げるのは、「遺品整理」という職業である。死と密接に関わりながらも、ドラマの題材としては比較的珍しいこのテーマを、真正面から描こうとする意欲作だ。

孤独死に向き合う仕事

第一幕は、本作が「孤独死」という現代社会の深刻な問題に深く向き合う内容になるであろうことを強く期待させた。主人公の鳥飼樹(草なぎ剛)は、5年前に妻を亡くしたシングルファザー。彼が勤める遺品整理会社での仕事ぶりが描かれる。

樹は、コストや効率を度外視し、故人の思いを丁寧に汲み取ろうとする人物だ。彼にとって遺品整理は、単なる物品の処理ではなく、亡くなった人から生きている人への「申し送り」なのである。

その信条は、第一話で描かれた孤独死の現場で色濃く示された。亡くなった母親に幼い頃「捨てられた」と信じ、すべての遺品処分を望む息子(吉村界人)。だが樹は、現場に残された息子の名前が記されたぬいぐるみ、息子のために毎月積み立てられた通帳、そして「かならず会いに行く」と書かれた幼い頃の似顔絵を発見する。

それらは、母親が離れてからもずっと息子を愛し、思い続けていた明確な証拠であった。樹は、事務的な作業を越えて故人の届かなかった思いを遺族へとつなぐ。まさに遺品整理が「死者と生者をつなぐ」仕事として描かれており、このドラマの核心的なテーマとなりそうだ。

中村ゆりと風吹ジュンの母娘の確執

一方で、絵本作家の御厨真琴(中村ゆり)を巡るもう一つの物語も動き出した。資産家の夫(要潤)との冷え切った関係、そして清掃員として働く実母・こはる(風吹ジュン)との根深い確執。余命宣告を受けたこはるが、生前整理を樹の会社に依頼したことで、全く異なる世界に生きていた樹と真琴の人生が交錯し始める。

樹自身もまた、妻の突然死という深い喪失を抱えている。遺品整理を通じて、様々な事情を抱えた家族の「死と再生」をどのように描いていくのか。重いテーマの中で、愛と希望の物語を紡いでいくであろう今後の展開に期待が高まる。

 

登場人物

鳥飼樹(草彅剛)
御厨真琴(中村ゆり)
久米ゆずは(八木莉可子)
矢作海斗(塩野瑛久)
神部清香(長井短)
高橋碧(小澤竜心)
外山大河(石山順征)
鳥飼陸(永瀬矢紘)
御厨利人(要潤)
森山静音(国仲涼子)
波多野祐輔(古川雄大)
御厨彩芽(月城かなと)
磯部美佐江(大島蓉子)
御厨富美子(小柳ルミ子)
御厨剛太郎(村上弘明)
磯部豊春(中村雅俊)
鮎川こはる(風吹ジュン)

ゲスト
飯田基祐
加治将樹
川合諒
山時聡真
中島亜梨沙
西垣匠
雛形あきこ
本間日陽
六平直政
矢野聖人
山下愛織
吉村界人