英スターマー首相は、イーロン・マスク氏が所有するソーシャルメディア・プラットフォーム「X(旧Twitter)」について、英国内での利用を禁止する可能性があることを示唆した。同プラットフォームのAIツールが、女性や児童の性的画像を生成するために悪用されているという深刻な懸念が高まっているためだ。
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英首相「違法であり許容できない」と強い非難
キア・スターマー英首相は、XのAIツール「Grok」を使用して生成された画像が「違法」かつ「嫌悪すべき」ものであるとし、英国における同プラットフォームの遮断(ブロック)も選択肢の一つであることを明らかにした。
首相はラジオ番組『Greatest Hits Radio』の取材に対し、英国の通信規制当局であるOfcom(オフコム)がこの問題に対処するための政府の「全面的な支援」を得ていると明言。Ofcomは事実上、英国でのXの運営を禁止する権限を有している。
スターマー首相は次のように述べた。
「これは違法行為だ。我々はこれを容認しない。私はあらゆる選択肢を検討するよう指示した。実に嫌悪すべきことだ。Xはこの問題に対処し、該当するコンテンツを削除する必要がある。断固として措置を講じる」
AI「Grok」による性的画像の生成が引き金に
今回の騒動の発端は、XのAIチャットボット「Grok」が悪用され、同意なしに人物の着衣を脱がせたような画像(ディープフェイク)が大量に生成・拡散されたことにある。
この問題は世界的な反発を招いているが、さらに事態を深刻化させたのは、インターネット監視財団(Internet Watch Foundation:IWF)の報告だ。IWFは、同ツールが「11歳から13歳の児童を含む犯罪的な画像」の作成に使用されたことを確認している。
Ofcomは月曜日、重大な懸念が提起されたことを受け、X社に対して「緊急の接触」を行ったと発表した。
オンライン安全法に基づく「X遮断」の可能性
英国の「オンライン安全法(Online Safety Act)」には、極端なケースにおいてOfcomが行使できる強力な権限が規定されている。
裁判所の同意が得られた場合、Ofcomは決済プロバイダー、広告主、およびインターネットサービスプロバイダー(ISP)に対し、特定のサイトとの取引や接続の停止を命じることができる。これが発動されれば、英国国内からXへのアクセスは事実上遮断されることになる。
労働党内でもX離脱の議論が加速
政府に対しては、Xというプラットフォーム自体から撤退すべきだという圧力も高まっている。
ルイーズ・ヘイ元運輸大臣は、「このサイトをあと1分でも使い続けることは良心に悖る(もとる)」と閣僚らに訴えた。また、アンナ・ターリー大臣も金曜日、Xからの撤退について「議論が行われている」ことを認めている。
労働党のアンネリーズ・ダッズ議長は、党としてのX利用について次のように語った。 「議論は行われている。我々が安全な空間にいることを確認するのは非常に重要だ。しかし、最優先事項はXが自身の行動を正すことだ。首相はこの状況を『完全に忌まわしい』と明言している」
X側の対応:画像生成を「有料会員限定」へ
批判の高まりを受け、Grokの公式アカウントは今月、「ユーザーが未成年の露出度の高い画像を要求し、AIが生成してしまった孤立したケースがあった」と認め、「AIには安全策が設けられているが、こうした要求を完全にブロックするための改善を継続中である」と投稿した。
現在、Grokでの画像生成および編集機能は制限されており、リクエストを行うと「画像生成と編集は現在、有料購読者に限定されています」というメッセージが表示され、Xのプレミアムプランへの登録を促す仕様に変更されている。
ソース:X could be banned in UK amid sexualised AI images concerns | The Independent
