リアルサウンド映画部に、『THE FIRST SLAM DUNK』のCGディレクターを務めた中沢大樹さんに話を聞いてきました。
『THE FIRST SLAM DUNK』井上雄彦の絵をいかに3DCGで再現? CG担当が明かす制作過程|Real Sound|リアルサウンド 映画部
本作の革新的な映像はいかにして生まれたのか、取材時間は30分強くらいの短いものでしたが、非常に有意義な話が聞けたと思います。個人的に気になっていたのは、CGにどれだけレタッチを手書きで乗っけているのかなということと、モーションキャプチャデータをどのように駆使しているのか、というかどれくらいそのまま使えたのか。
レタッチの工程が通常のCGアニメよりも多いことがわかったのは大きな収穫でした。このやり方は時間かかりますね。どんなアニメの現場でもできることかというと、ちょっと難しいかも知れないと思いました。これだけの手間暇をかける必要があるのか、と驚きます。
この映画は、革命的なことをやったと思いますが、それは一朝一夕で他の現場で再現できることではなさそうだなと感じました。しかし、これは日本のCGアニメのメルクマールになることは間違いないでしょう。
以下、原稿作成時のメモと構成案。
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参照
中沢大樹さん
中沢大樹 – アニメ@wiki FANBOXご支援募集中! – atwiki(アットウィキ)
作画もCGも、”アニメをつくる”ということに変わりはない。『ポッピンQ』で映画監督デビューをはたした宮原直樹のアニメ演出術 | インタビュー | CGWORLD.jp
(68) 「ふくお、気になります!」 アニメ『ポッピンQ』編 #1 〜CGでダンスはどこまで進化できるのか〜 – YouTube
COURT SIDE | 映画『THE FIRST SLAM DUNK』
#09 CGディレクター:中沢大樹 作成者:映画『THE FIRST SLAM DUNK』COURT SIDE
「THE FIRST SLAM DUNK」演出・宮原直樹インタビュー | ヒット作はこうして生まれた! – 映画ナタリー
中沢大樹
映画『SLAM DUNK(タイトル未定)』スタッフが座談会で語る、会社の垣根を超えた2社の協業プロジェクトから生まれるものとは?
ダンデライオンがAnimStrokeを開発。。これはCGソフトというよりもデジタル作画に近いかたちのソフトで、自分も触らせていただき、レビューとフィードバックをさせていただきました。
AnimShape」や「SoftMod」・・・作画的なルックを求める際に有効なもの
CGについて。
CGアニメ特有の「人形っぽさ」を排除し、キャラを表情豊かに描く秘訣は? 「ヒープリ」東映アニメーションが解説 | アニメ!アニメ!
『プリキュア』シリーズエンディングダンスの変遷とは、すなわち“揺れ物”進化の変遷【CEDEC 2012】 – ファミ通.com
氷川竜介(アニメ・特撮評論家)【日本にフルCG アニメは根付くのか? 第1回/2012年3月号】|INTERVIEW インタビュー|EE.jp
<サブカルWorld>(26)アニメ映画「THE FIRST SLAM DUNK」 モーションキャプチャーでリアル追求:東京新聞 TOKYO Web
撮影泣かせだったのは、選手同士の接触が多いスポーツだという点。物理的にマーカーが隠れてしまいデータが取れないからだが、「ある程度はデータが消えてもカバーできる前提でプレーを優先した」(三鬼さん)。手作業で欠けた部分を復元していったという。
THE FIRST SLAM DUNK:原作以上の山王戦へ 驚きのCGの裏に隠された妥協なき挑戦 演出・宮原直樹に聞く – MANTANWEB(まんたんウェブ)
構成3月9日
Point3つ
モーションキャプチャデータの扱い
レタッチの分量の問題
再現性はあるのか、このやり方に、そしてCGアニメの未来
Intro
大ヒットしているスラムダンク。
その成功の秘密の一つに3DCGを駆使した試合シーンの迫真性だ。絶賛を受けるCGはどう作られたのか、CGディレクターの中沢さんに話しを聞いた。
Body0 井上さんの絵とCG
中沢さんは作品を受けた際、最初はプレッシャーを感じつつも、やりがいもあると思い悩んだ。
今回の作品はCGでなければ実現できない挑戦だと考えられた。
中沢さんは以前にダンスの動きをCGで表現した経験があり、今回のバスケットボールのCG制作はスポーツにおける新たな挑戦として位置づけられる。
キャラクターデザインは井上先生の絵に近く、立体造形を正確に2次元に落とし込むことができるため、CGで表現する価値があると考えられた。
Body1 モーションキャプチャのデータ
モーションキャプチャのデータはベースとして使われるが、そのままでは使えず手作業で調整される。
キャラクターの動きはプロのプレイヤーによってキャラの特徴を活かしつつ収録され、その後演出しながら修正される。
桜木の動きはバランスが難しく、コミカルさとリアリティを両立させるのが難しかった。
衣服の動きはクロスシミュレーションを使って表現され、リアルな動きを再現するためにテストを繰り返した。
Body2レタッチ関連
監督やアニメーターらが手作業で描き込む作業は監督の指示により、絵の修正やレタッチを行う際に行われる。
レタッチ作業は通常のアニメーションではなく、アニメーション作監の仕事に近いものであり、監督が直接的に修正を行うことは通常は少ない。
使用されたアニメーションツールであるアニムストロークは、監督の絵を3D上にペイントし、カメラやキャラクターに追従させることができる。
監督の絵がそのまま反映されるポイントは影や線など部分的な修正が主であり、最終工程まで監督に体験してもらうことが重要視されている。
Body3このやり方、フローは特殊?
今回の作業工程は特異なものであり、原作者の井上先生が現場にいたことが重要である。通常のアニメ制作では、作監や作画監督が修正を行うが、今回は監督が直接的に手を加えた。
井上先生が現場にいることで原作に近づけるが、3DCGやモーションキャプチャの導入だけではそれが可能とは限らない。作家性を持つ監督の関与が重要である。
現場のアニメーターや作画スタッフはプロであり、経験を積むことで作品のクオリティを向上させられる。今回の経験が東映CG部全体の経験値を向上させたが、今後もこのような特殊な作業があるかどうかは不透明である。
Concl CGアニメの未来
CGアニメーションの表現の発展について、スパイダーバースや長靴をはいた猫などの手描きテイストの作品が増えているが、東映アニメーションは従来の作画のテイストをCGでも再現する方向性を目指している。
東映アニメーションのCG部はハイブリッド作品や3D作品など、さまざまな作品に取り組んでおり、作画との違和感をなくすことや子どもに夢を与える作風を追求している。
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メモ終わり。
アニムストロークという新ツールについては、CGワールドのインタビューで存在を知っていたんですけど、その中身について改めて詳しく聞けて良かったですね。手描きの修正が追従してくれるのは便利そうです。こういうツールがあって、井上先生の手描きのエッセンスが映像に定着できるんですね。