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『スパイダーマン』シリーズのマルチバース戦略について書きました

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 マグミクスに、金曜ロードショーで放送が予定されている『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』と『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に合わせて、『スパイダーマン』シリーズのマルチバースについて書きました。

 なぜ『スパイダーマン』は3人いる? 「大人の事情」をも逆手にとった「大成功」の裏側 | マグミクス

 どうしてスパイダーマンが3人登場するのか、それぞれの役者が演じたスパイダーマンはどう違うのか、シリーズの変遷とたくさん作られ続けてきた理由とビジネス上の動機なども交えつつ、解説しました。

 ソニー・ピクチャーズとマーベル側の契約問題などもあったりして、他のマーベル・ヒーロー映画とはやや異なる座組で作られている本シリーズの複雑な事情をおさらいすることを中心にしています。

 もっとも、このシリーズが大人気だからこそ作られ続けていることは変わりませんけど。
 
 
 以下、原稿作成時のメモと構成案。
 
 
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参考
映画スパイダーマンが3種類あるのはなぜ?違いはなに? | I am MARVEL fan.

なぜスパイダーマンの役者は15年で3人もいるのか?|シネマトゥデイ

どうして、映画スパイダーマンは主役や設定を変えながらも続編を作り続けるのでしょうか? – Quora

何故“スパイダーマン映画”はコンスタントに生み出される? 理由&メリットを解説

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カオスすぎるスパイダーマン周辺の権利|Real Sound|リアルサウンド 映画部

複雑な「スパイダーマン」の権利とソニーの映画事業|akinii8

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スパイダーマン、なぜソニー?

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スパイダーマンというキャラクターはMARVELが権利を持っているのに、なぜSONYから映画化の権利を取り返す事ができないのでしょうか? – Quora

【読書感想】MARVEL 倒産から逆転No.1となった映画会社の知られざる秘密 ☆☆☆☆ – 琥珀色の戯言

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Thesis
「スパイダーマン」の権利問題をめぐる経緯は複雑、しかし結果的にそれが最新作「ノー・ウェイ・ホーム」を感動作に押し上げた…
 
 
Point3つ

なぜスパイダーマンはたくさんいるのか。

ソニーとマーベル社の複雑な権利関係の歴史的経緯

しかし、原作にもある要素として構築し、ノー・ウェイ・ホームを見事な感動作に仕立て、アニメーションのスパイダーバースはさらに革命的な映像作品にしてみせたその手腕。
 
 
intro

金曜ロードショーでスパイダーマンが二週連続で放送される。

概要、今回放送されるのはトム・ホランド主演版でマルチバースが描かれ、3人の旧作からのスパイダーマンも共演していることで話題。

そもそも、どうしてスパイダーマンは3人いるのか。そこにはそれ自体の面白さと原作からの要素の他、複雑な権利問題という事情もあった。

Body1 なぜスパイダーマンはたくさんいるのか

21年で10本ある、実写映画では8本で、3人の主人公がいる。

それぞれ異なるユニバースに属す、別々のキャラクターであり、リメイクとは言えないもの。

マーベルのヒーローの中でもとりわけ多く映像化されていて、一番スパイダーマンが多くいる。

どうして?
 
 

Body2 ソニーとマーベルの複雑な権利関係の歴史的経緯

そもそも、マルチバース展開で原作からしてたくさんのスパイダーマンがいるので、原作に沿っているともいえるが、内実増えたのは映画ビジネス的な要素が大きい。

1997年倒産したマーベルが復活を期すためにかけたのは、IP展開。キャラクターの映画化権を他社に売却し、ライセンス料をもらうということで立て直そうと試みた。

1999年に企業再生家のピーター・クネオをCEOとして迎える。

基本的な出版社の収益構造は在庫リスクも高いうえにマージンが低く、利益が出にくい。そこで、まずはマーベルを利益を出せる体質にするため、収益化の変革に取り組んだ。

そこで思いついたのが、マーベルのキャラクターを知的財産(IP)として活用するライセンス事業。

1997年に倒産したマーベル・コミックはマーベル・エンターテインメントとして再稼働したばかりだった。その際、同社はなんとか利益を捻出しようとスーパーヒーローたちの映像化権を切り売りしていた。そのときソニー・ピクチャーズがスパイダーマンの映像化権を買い取ったのだ。

2000年あたりに、ソニー・ピクチャーズはマーベルからスパイダーマンの映画化権を獲得する。映画1本を製作するごとに、マーベルに1000万ドルと収益の5%を支払うという条件だ。

これが大ヒットを記録

その後公開された第1弾スパイダーマンは世界総興収8億ドルを超える大ヒットとなった。その後もスパイダーマンシリーズは安定したヒットを続け、最新作スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム世界総興収は歴代最高の19億ドルに到達している。マーベルは途方もない富をもたらすIPを、破格でソニーに売り渡してしまったのだ。

これによってソニーはスパイダーマンを手放さないようになる。

だが、当時の常識からいえば、マーベルの判断はおかしいものではなかった。マーベルは出版物と関連商品で儲けていた。そもそも90年代までコミックの映画化作品は当たり外れが大きく、ヒットしてもたかが知れていた。だからこそソニーにスパイダーマンの映画化権を売り払い、興収の一部とグッズの売り上げの半分を受け取る契約を結んだのだ。彼らにとってみれば、映画版はコミックとグッズを売るためのコマーシャルのようなものであり、少ないリスクで手堅く儲ける道を選んだのだ。ちなみに、マーベルは「X-MEN」の映画化権を20世紀フォックスに渡している。何故“スパイダーマン映画”はコンスタントに生み出される? 理由&メリットを解説 : FROM HOLLYWOOD CAFE – 映画.com

作られ続けるのは5年以内に新作を作らないとマーベルに権利が戻ってしまう条項が契約に含まれているため

Spider-Man’s movie adventures have been a headache for Sony for over a decade, but the character is too valuable to compromise on

“Sony has owned the film rights to Spider-Man and 900 related Marvel Comics characters since 1998, and can keep them if it releases a new “Spider-Man” movie every five years and nine months.”

5年と9ヶ月以内に新しいスパイダーマンの映画を出さないと映画化件は喪失になるようです。それとスパイダーマンだけでなくこれまでスパイダーマンのコミックに登場した関連キャラ900人の権利を有するようです。美味しすぎます。最低10年に2作は出る勘定です。

財務体制が健全になったマーベルは、自社で映画を製作し収益化するように決断。アイアンマンが始まり、ここからMCUの快進撃がスタート。そして、一番人気のヒーローのMCU参戦がファンからも望まれるように。

一方、ソニーは、アメイジング・スパイダーマンがあまりうまくいかなかった。

アンドリュー・ガーフィールド、「スパイダーマン」からの降板に今もショックを引きずっていると告白| 海外ドラマ&セレブニュース TVグルーヴ

打開したいソニーとマーベルの思惑が一致して2015年にマーベル・スタジオ/ディズニーとソニーの業務提携が成立したことで、『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』(2016年)にスパイダーマンが登場することに。

 
 

Body3
しかし、原作にもある要素として構築し、ノー・ウェイ・ホームを見事な感動作に仕立て、アニメーションのスパイダーバースはさらに革命的な映像作品にしてみせたその手腕。

スパイダーマンはティーンの悩みを描くヒーローであるという点で、俳優交代は必ずしもわるいことではない。

時代ごとにティーンのあり方が変わっているのが比べるとわかる。いつの時代もティーンの心をつかむヒーローの第一人者としてあり続けていられるとも言える。

そして、3人が共演してマルチバース展開を本格化させたノー・ウェイ・ホームはその複雑な事情によって生じた3人主人公を見事に生かした感動的な大作になった。

トム・ホランド主演の4作目も準備中。

さらに、ソニーはMCUとは別のユニバース展開を独自に展開している(入れるか?)

こちらでもトムホ版ピーターの活躍があるかも。
 
 
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 メモ終わり。大人の事情があるとはいえ、『ノー・ウェイ・ホーム』は見事なストーリーに落とし込みましたよね。元々、マルチバースという概念は原作にもあるわけですから、大人の事情によって原作の魅力を引き出すことに成功したとも言えるかもしれないですし、製作陣の知恵と努力が実った結果ですね。
 
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