ハフポストに、TBSの久保田智子さんが初監督をされたというので、話を聞いてきました。
特別養子縁組で子どもを迎えた久保田智子さん「生みの母と育ての母の『本当の声』伝えたい」 | ハフポスト LIFE
ドキュメンタリー映画『私の家族』は、久保田さんがこれまで取材されてきた特別養子縁組の当事者と、ご自身の家族について綴った作品です。久保田さんも特別養子縁組でお子さんを授かっており、そのエピソードと養子縁組の現在を取材した内容で構成されています。
当事者として取材することの意義や家族の様々な形を問い直す姿勢、そして養子縁組に子供を出さざるを得なかった女性の葛藤などをすくい上げ、ご自身の父親と向き合っていく久保田さんが映し出されます。
本作はTBSドキュメンタリー映画祭で上映されます。素晴らしい作品ですが、観られる機会は限られるので、みなさんぜひこの機会をお見逃しなく。
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参考
不妊症を経てたどり着いた、特別養子縁組という選択 久保田智子さん:telling,(テリング)
妊娠や出産など、喜ばしい人生の転機に使う「オメデタ」という言葉についても「好きではなかった」と当時の胸の内を打ち明ける久保田さん。「アナウンサーの仕事で、著名人の妊娠や出産を『おめでとうございます』と伝えながら、自分には『オメデタ』が来ないのかな、と。友人や知り合いの妊娠や出産に対しても、嫉妬の感情と、幸せを喜べない自分に対する侮蔑の気持ちが湧き上がってきて、『私はなんてひどい人間なんだろう』と思っていました」
恋愛中も、結婚を意識するようになると、子どもができないことで相手を苦しめるのではないかと思い悩み、自分から距離を取ったことも。
「子どもが産めないからこそ、子どもを持つことへの執着がどんどん強くなっていったんだと思います。子どもができない『穴埋め』はどうしたらいいんだろう、と。究極的には生きている意味は何なのか、哲学的なことにすがっていた時期もありました」
「じゃあ、一緒に考えていこう!」
返ってきたのは、そんな拍子抜けするような明るい言葉でした。
いま、久保田さんがメディアで働く一人として力を入れているのが、子どもを取り巻く社会的・経済的な諸課題を“大人に知ってもらう”ための動画コンテンツの配信です。生まれた環境にかかわらず、全ての子どもが出来るだけ等しくさまざまな体験や機会を得て、複数の選択肢を知りえる状況で育ってほしい――。そうした久保田さんの考えの背景には、「娘もタイミングしだいではいま別の環境にいたかもしれず、ほかの子どもたちのことも決して他人事ではない」という思いがあります。
特別養子縁組は、どんな環境に生まれても幸せになれるよう、子どもたちを守るために大人が整える「子どものための制度」の一つ。「大人が子どもをもっと気にかけて関わっていき、社会で育てる世の中になってほしい」。久保田さんはそのように願っているのです。
子どもを“迎えた”家族のかたち「特別養子縁組」 母になった久保田智子さんと考える“真実告知”【news23】 | TBS NEWS DIG (3ページ)
【特別養子縁組】「生みの親に会いたい」と言われたら…子どもを迎え、母になった久保田智子さんと考える「真実告知」【news23】 – YouTube
2歳半から伝えている。素敵なことだからむしろ伝えてあげたい。親の元に暮らしていない子供4万2000人、養子縁組は693人
久保田智子「20代初めで不妊症と診断。特別養子縁組で迎えた娘に『私がママだよ』と言えた日」 いつか「真実告知」をする時のために|芸能|婦人公論.jp
“養子縁組を選択して母に”TBS・久保田智子さんに響いたある言葉とは?|VERY
「ママになれない」絶望からの奇跡 久保田智子さんが育む家族の形:朝日新聞デジタル
特別養子縁組で家族になった娘。共に過ごした時間が私を母にしてくれた。|久保田智子 | 週刊文春 電子版
TBS久保田智子が選択した「特別養子縁組」という幸せのカタチ|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
特別養子縁組は、生みの親、養子となる子供、育てる親それぞれが幸せになることを積極的に目指す制度である。しかしこれまで、どちらかというと「子供の福祉のための制度」という視点が強調され、特別養子縁組によって親となることの喜びは広くは語られてこなかった。
端的に言えば、特別養子縁組とは法律上も「実の親子」になる制度である。
久保田が受けた印象では、どんな子供が生まれてきても受け入れて育てる覚悟はあるか、その意志を誓えますかと追及されているように感じた。
母となったTBS久保田智子の葛藤の訳と「養子」の真実|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
こどもと真剣に向き合ううち「私が母です」と言えるようになる|体験談を読む|こどもを育てたいと願う人へ 特別養子縁組制度|朝日新聞telling
【離婚と子ども】どう説明する?離婚を決断した時、子どものために知っておきたい親の心得【久保田智子のSHARE#27】 – YouTube
「親子は血が繋がっていてあたりまえ」という思い込みをなくしていく――日本と諸外国の養子縁組/産婦人科医、石原理氏インタビュー – SYNODOS
大切にしたいのは「事実より記憶」。元TBSアナの久保田智子さんが『歴史』の道を歩む理由 | ハフポスト PROJECT
産めるリミットが近づいて知った自分の本音【ハフポスト エディター榊原すずみ × TBS報道局 久保田智子】 – YouTube
Point
養子縁組を公表、取材を継続したり映画を作ることで社会の何を変えたいか
養子に出さざるを得ない親たちの直面する問題
家族のあり方、人生の生き方の多様性について
質問案
長編のドキュメンタリーとしてまとめようと思った理由
特別養子縁組を公表したことについて、
2歳半ころから真実告知を始めているとのことですが、どの程度理解できていそうか。
真実告知をどんなプロセスで進めていますか。娘さんに変化は?
特別養子縁組の今の現状を取材続けていると思うが、どのように状況はなっているか。
いまだ親のもとで生活できない子供は4万人以上いる。どうすべきか。
映画が取材を通して養子というものをどうイメージを変えていきたいか。
ご自身の家族との関係も入れている理由も聞く。
構成2月26日
Point
社会の中で隠すべきことじゃないということ
当事者であり取材者であることの葛藤とメリット、当事者取材
特別養子縁組と真実告知について
家族の話
Intro
映画の概要
2020年に特別養子縁組で子どもを授かったことを公表した久保田さん、依頼番組などでの養子縁組の取材を続けている。
久保田さんが自らのライフストーリーを敢えて映画にした理由は?
Body1世間の声なき声を可視化するために自分の人生を見せることが役立つと思った
本作は、久保田さんがこれまで撮りためたプライベートな映像と、取材してきた特別養子縁組に関する映像から構成されている。映像のいくつかニュース23などでも取り上げられたものだ
↓
– 久保田さんのコメント
「元々、自分の家族を映画にするつもりはまったくなかったんです。
でも、当事者である自分を、取材者として客観的に見つめてみると、当たり前に始まった家族の形ではないですし、私の中にあった葛藤を描くことで社会に何かを伝えることができるんじゃないかと思ったんです。
いつもの取材なら、対象者と数日一緒に過ごして、放送するんですけど、やはりそれだけでは描き切れないものはあって、もっと深いところに本音はあるだろうなと常々感じてもいました」
↓
自身の体験が可視化に役立つ
– 久保田さんのコメント
「特別養子縁組で子どもを迎えた幸せそうな家族を報道で見たことは大きかったですね。知識として制度は知っていましたが、嬉しそうにしているご両親を映像で見て、初めて自分ごとになったんです。
実際に、特別養子縁組と検索しても、体験した人の顔や生の声はなかなか聞こえてきません。そのせいで、堂々と発信してはいけないことのように感じてしまっている人もいるかもしれない。
だからこそ、当事者の自分が発信することで、選択肢の一つとして思ってくれたらいいなと思います。やっぱり見えないものってわからないし不安ですよね。見えるものにしていくのがメディアの役割だと思いますから、自分ができるならやりたいと常々思っていたんです」
↓
私たち家族の姿で、特別養子縁組のイメージが変わってくれると嬉しい
Body2 取材者でもあり当事者だということで生じる葛藤とメリット
久保田さんは、自分自身が特別養子縁組の当事者となったことで、当事者目線で寄り添う取材が可能になったという。
↓
声なき声を届けるために、
– 養子に出さざるを得なかった女性の声
「多くの理由は貧困と虐待で、子どもを産んだ母親自身に安心できる居場所がないんです。
自分が虐待されていたから、わが子にまでそんな思いをさせたくない。でも、自分の状況を考えるとお金もないし頼れる人もいない、負の連鎖を断ち切らなきゃという思いで子どもを養子に出しているんです。本人が頑張ればなんとかできるという状況では、そもそもありません。
それでも、彼女たちは『なんで自分で育てられなかったんだ』と周囲から言われてしまい、責められてしまうんです。こうした状況を変えるには、彼女たちの本当の思いが可視化される必要があると思います。
今回、映画に出てくる女性も、本当は自分で育てたかったと言っていました。産んですぐにその子を手放すのは相当の覚悟がないとできないと思うんですけど、子どもの幸せを一心に願って苦渋の決断をされているんです」
つまり貧困とか家庭問題とか。つまり、本人が頑張ればなんとかできたという問題ではないんですよね。
↓
分からないことは怖いこと
Body3 真実告知について
2歳から始めた久保田さん
「(2歳時点で)どのくらい理解できているかわかりません。でも、そこで大人が判断してしまわないことが重要だと思っています。
子どもって親の態度を見て育ちますよね。真実告知も、むしろ早いうちから行うことは親にとっていいと思っていて、後になればなるほど、特別なことになって妙に力が入ってしまうと思うんです。もっと当たり前のこととして子どもに伝えるべきで、だとすれば、本当に当たり前だと思いながら、早い段階から伝え始めた方が、その子にとっても当たり前になっていきます。時がたてばたつほど、なんだか特別な儀式になってしまうと思うんですね」
それが言えないとしたら、子どもにとってそれが可哀そうなことだと、大人が判断してしまっているのかも
Body4(Concl) 家族と対話すること、すべての土台に対話がある。
なぜ両親との対話シーンが必要だったか。
「人間は自分の中にある偏見を通して認知するものですけど、それを崩していくとお互いに近づけるようになるので、特にそれを家族に対してやってほしいと思うんです。実は家族って一番の偏見の塊で、すごく誤解していることがたくさんあるはずです。
重要なのは対等に話をすることで、それは私の子ども時代にはすごく難しいことでした。一方的に言われ続けて、それを受け止めるしかなかった当時の私は結構傷ついていたんですけど、今、どうして対等な会話が成立しているかというと、多分お父さんが私を尊敬し始めたからです、テレビ出てすげえなみたいな(笑)。
でも、対等な立場で親子が会話する場をデザインするのは簡単じゃなくて、子どもが親の立場になることはできないから、親が寄り添っていかないといけません。真実告知についても、何にしても、やっぱり土台となっているのは、対等に話をすること。そういう思いが私の中にあるんだろうなと思います」
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観客に「自分の家族」を再発見するきっかけ
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メモ終わり。
特別養子縁組という制度の現状についてなども話を聞いていたんですけど、入れきれなかったです。もう一本記事書きたいと思った。
個人的に聞きたかったのは、当事者が取材することの利点です。記者は客観が求められるものですけど、当事者だからより深く聞き出せて、踏み込めるものがこの作品には映っていると思うんです。久保田さんじゃないと聞けないだろうことをたくさん聞けているんです。そのことを取材された久保田さんご自身が、どう感じておられるのかを聞けて良かったなと思います。
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