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『逃げ上手の若君』アニメの美しさを徹底解剖!演出の手数、色彩設計や作画のこだわりが創り出す世界

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リアルサウンド映画部に、『逃げ上手の若君』のレビューを書きました。

『逃げ上手の若君』は“温故知新”的なアニメだ 王道かつ異端な作品となった理由を解説|Real Sound|リアルサウンド 映画部

大変素晴らしいクオリティで話題になっている同アニメですが、そのアニメーション的な良さと原作の良さについて書きました。原作マンガを演出陣がいかに解釈して、アニメーションにその魅力を落とし込んでいるのか、作画や色彩、美術はそれをどう具現化しているのか、考えてみました。

こういう質の高い作品が真っ当に評価されてほしいし、人気になってほしいなと思います。
 
 
以下、原稿作成時のメモと構成案。
 
 
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Thesis
アニメーション映像は、原作をどう解釈して構築されたか

演出の手数の多さはなぜ必要か。
やはり演出の在り方を中心にすべきか

原作マンガをどう解釈しているか。。。。原作はそもそもどういうアプローチをしているか。
 

Point

原作はどう時代物を描いているか
それを受けてアニメは、どのように演出をしているか
その演出プランを実行するために、どうアニメイトしているか、、、作画、美術、色彩
 
 

Intro
逃げ上手の若君のアニメが好評。作画もいいし、色も綺麗で、演出の手数が豊富。ハイレベルなスタッフがハイレベルに全体をまとめている。

目を引くのは、やはりあの手この手の豊富な演出スタイル。質感の違いを敢えて導入部にもってきたり、バラエティ番組のようなシーンを導入したり、崩し表情も豊富に導入。(原作にはないタイプの絵柄も投入している)

逃げ上手の若君には、原作の良さを引き出すという前提とともに、原作の大きさに負けないようにアニメーション制作のチャレンジを多く行っている。
 
 

Body1 原作について

原作マンガは、時代劇のイメージを覆そうとしている。第一話の1ページ目から「逃げる」を強調する。逃げるという言葉から始まる時代劇にしている。

同時に、武士のイメージも覆している。

原作者の言葉
夏アニメ『逃げ上手の若君』原作者・松井優征がアニメ化にあたってリクエストしたこととは? | アニメイトタイムズ
松井:基本的に歴史ものは大人向けであり、映画や小説はおろか、江戸時代の講談や歌舞伎でも、子供の時行はまず題材にされません。少年漫画というジャンルでしか感情移入してもらえない稀有な武将です。いま自分が少年誌で描いているうちに、このままでは永遠に埋もれてしまう武将に光を当てる事ができるのでは、と思いました。


これを具現化するために、従来の時代劇とは「ノリ」が違う作風にしている。メタ的なジョークも織り交ぜつつ、ポップな仕上がりを志向

同時に、少年マンガというジャンルでしか、という言葉通り、少年マンガらしさをかなり大切にしている。「王道展開」のメタジョークもあったが、少年の成長と仲間が増えていく喜びを快活に見せる。

時代劇の血なまぐささを消すことなく、両立させる手腕はジャンプのトップ作家としてさすが
 
 

Body2 アニメは原作マンガをどう解釈しているか

原作の持つ、ポップさを引き継ぐ方向で、原作との方向性は同じくしているが、さらに推し進めているという印象

メタ的なネタはナラティブなレイヤーでももっと過剰に表現している。

第二話の演出スタイルについて

演出の手数の豊富さにつながっている。やたら立体感を強調するCGのショットも。。。どんな効果を生んでいるか(一話冒頭と3話の主観ショット)

一連の演出は、やはり時代劇のイメージを覆している。
 
 

Body3 その演出プランを支えるアニメーション映像のあり方

目を引く鮮やかな彩度の高い色彩設計。
中島和子は、山崎監督や副監督の川上氏も参加した、ワンダーエッグプライオリティなども担当。四月は君の噓など、彩度の高さが目を引くアニメ作品の色を担当してきた人。

時代劇にポップさをもたらしている。華やかな色使い 中島和子 – アニメ@wiki FANBOXご支援募集中! – atwiki(アットウィキ)


かなりメリハリの効いた色使いが、セル時代のアニメを思い起こさせる部分も。
クラシックなアニメを思い出させる絵作りになっている。OPに歌詞が入るのも、昔懐かしい感じがある。

同時に、演出の手数の豊富さが、従来のクラシックアニメとは異なる点で、懐かしさを新鮮さの両立を掲げている点が面白い。

温故知新的な映像。
 
 
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メモ終わり。

これからのエピソードもどんな演出が見られるか楽しみです。変幻自在の演出陣の映像スタイルを堪能できる貴重な作品ですね。CloverWokrsには、良い演出家が揃ってますね。
 
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