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テレビ業界の価格転嫁はなぜ進まない?著作権問題も絡み、労働環境が逼迫

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Brancに、テレビ業界の労働環境問題、物価高の中でも進まない価格転嫁の問題について書きました。

テレビ番組制作の現場から:価格転嫁の遅れと著作権問題が深刻化 | Branc(ブラン)-Brand New Creativity-

昨年、テレビ番組の制作会社の倒産数が過去最高を記録したというニュースもあったのですが、2024年になっても厳しい状況が続いており、物価高にも苦しんでいるという報告が、ATP(全日本テレビ番組製作社連盟)から出ています。

一方で視聴率が減少しているため、番組製作費も上げられない状況です。というか、製作費も減少傾向にあるとのこと。そんな中で、ATPも番組制作会社の支援策を中央官庁に訴えるという動きを見せています。

映画産業、アニメ産業、そしてテレビ産業も構造的に抱える問題は重なっている部分があります。ATPも新たな市場獲得のために海外進出の支援も合わせて求めており、このあたりは映画やテレビ、アニメ、実写の垣根を超えて一元的な支援策を求めていくべきでしょう。
 
 
以下、原稿作成時のメモと構成案。
 
 
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ATP提言、製作会社支援の中央官庁的機関設置を – 文化通信.com
全日本テレビ番組製作社連盟(ATP、理事長福浦与一)は8日の記者懇談会で、“価格転嫁が進まない状況”や“適正に支払われていない管理費”、“著作権保有率の低迷”など現状と課題を説明するとともに、日本のコンテンツ産業の未来のために「改善すべき点」「必要な施策」について提言した。山田治宗ATP副理事長(テレコムスタッフ株式会社代表取締役)、松村俊二ATP理事・メディアセンター長(株式会社共同テレビジョン取締役)らが説明した。
■価格転嫁が進まない状況
■適正な管理費の確立に向けて
■制作費の減少とコンテンツ著作権保有率の低迷
■日本の実写コンテンツの現状
■ATP提言1 課題解決のために政府に求めること
コンテンツ製作を担う製作会社に対して継続的に支援する中央官庁的な機関の設置、また官民ファンドで投資家が製作投資できる体制づくりの実現、映像制作に対する税制優遇措置の検討
■ATP提言2 プロの映像製作者を育成する教育機関の設置
 
ATP経営情報アンケート/売上・利益依然厳しい – 文化通信.com
全日本テレビ番組製作社連盟(ATP、理事長福浦与一)は、会員社を対象として毎年、「経営情報アンケート」を実施しており、コロナをくぐり抜けた後の実態となる2023年度調査の概要をまとめた。8日の記者懇談会で、山田治宗ATP副理事長(テレコムスタッフ株式会社代表取締役)が調査結果および今後の展開について説明した。
■2023度調査結果概要~製作会社の経営について
〇著作権保有率13・5%と横ばいも減少傾向!改善求む 経営情報アンケート分析データベース化へ研究会発足
■著作権保有について
■データベース化および研究会発足
■今年度調査と結果報告

テレビ番組制作会社の倒産が高水準 2023年は過去10年間で最多を更新 | TSRデータインサイト | 東京商工リサーチ

[情報通信戦略調査会]番組制作会社の実情についてヒアリング | お知らせ | ニュース | 自由民主党
価格転嫁の業種別ランキングが最下位だった、相対的に価格転嫁率が低い業界である、放送コンテンツ業界

ATPが政府に提出した資料
国際競争力を高めるために官民連携の支援策を

テレビスポットの”今そこにある危機” Part 3 スポットをプラスにする方策はあるのか? 「データが語る放送のはなし」㊱ | 民放online
 
 

構成

Thesis
映画、アニメ、実写テレビ、一元的な支援の体制作りの必要性
 
Point3つ
テレビ制作会社の危機、、、製作費減少、価格転嫁すすまず、倒産相次ぐ
制作費以外の収入を求める、著作権がない。。。。しかし、テレビ局も放送外収入が必須になっている
支援の必要性を訴える。映画専門の組織ができるが、一元的にテレビ製作会社も含めて一元的に支援する一本化した組織体制の必要・・・・新しい資本主義会議でそれを議論している。

市場を拡げて、国際競争力あるコンテンツを作る必要。従来の買い叩きビジネスモデルはいずれ破綻する
 
 

Intro

今年は、映像産業の労働環境改善、さらには行政支援のあり方で大きな動いている。

映画やアニメのみならず、実写のテレビ番組の制作現場も疲弊しているようだ。

ATPの談話について、ここで概要
ATP提言、製作会社支援の中央官庁的機関設置を –
全日本テレビ番組製作社連盟(ATP、理事長福浦与一)は8日の記者懇談会で、“価格転嫁が進まない状況”や“適正に支払われていない管理費”、“著作権保有率の低迷”など現状と課題を説明するとともに、日本のコンテンツ産業の未来のために「改善すべき点」「必要な施策」について提言した。山田治宗ATP副理事長(テレコムスタッフ株式会社代表取締役)、松村俊二ATP理事・メディアセンター長(株式会社共同テレビジョン取締役)らが説明した。
 
 

Body1 テレビ制作会社の危機、、、製作費減少、価格転嫁すすまず、倒産相次ぐ

帝国データバンク、、倒産が過去最高
テレビ番組制作会社の倒産が高水準 2023年は過去10年間で最多を更新 | TSRデータインサイト | 東京商工リサーチ

コロナのダメージもあるが、長期的に制作費が減少している、それは放送収入の減少によって。

番組制作費の減少について、総務省に提出したATPの資料から。
ATP1のスクリーンショット。

2016年と2022年度の制作費を比較。
ATPの資料によると、フジテレビの減少額が最も大きい。次いでテレビ朝日、日本テレビと続く。TBSが最も少ない。

そして、物価高によるコストの上昇があるが、それを価格転嫁できない状態に陥っている。

令和6年3月の「価格交渉促進月間」に関するフォローアップアンケート調査結果では、価格転嫁を実施した業種(発注側企業から見た)のランキングで放送コンテンツ業は27位中26位、価格転嫁に応じてもらえた(受注側企業から見た)業種別では24位と、いまだ低順位という結果だった。

今年1月に会員社に向けて取ったアンケートによると、見積書が積算方式ではなく、局が設定した予算の逆算で行うケースが多く見られる。また、働き方改革により、制作日数やスタッフ増に対応するものの、その補填は局からはなく、製作会社の負担になっているケースが散見している結果となった。

この価格転嫁できない現状は、テレビ局と番組を実際に制作する会社との力関係を如実に感じさせる。
 
 

Body2 制作費以外の収入を求める、著作権がない。。。。しかし、テレビ局も放送外収入が必須になっている

こうした状況で、制作会社は制作費以外の収入を求めねばならないが、著作権は多くの場合、テレビ局に帰属するため、自ら制作した番組の二次利用展開もできない状況だ。
著作権保有率は依然として低く、全体保有率は前回調査と同じ13・5%と横ばい状態。2017年度の調査から昨年度までの推移をみると、民放、NHK共に明らかな減少傾向にある。ATP経営情報アンケート/売上・利益依然厳しい –

ここは放送局側としても非常に苦しいというか、著作権を一元管理しておかないと、例えば、配信権を配信に売却しようと思ってもやりにくくなるなどといったデメリットも考えられる。

あらかじめ、様々な権利をクリアにしておかないと配信という新たな業態への対応も難しくなる。

さらに、テレビ局も放送外収入を求めねばならない。放送と制作以外の部分で収益を上げねばならないという事情は、局も制作会社も同じで、だからこそ、テレビ局も著作権を保有したがる傾向が強くなっていると思われる。

ATPは著作権を制作会社に帰属させるよう働きかけ、作り手への還元を訴える。企画制作した当事者だからこそ、内容にも精通しているため、熱意をもって展開できるという。

総務省は取引のガイドラインを改定する。
総務省・放送コンテ製作取引適正化ガイドライン改訂案 –
総務省|報道資料|「放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン」改訂案 (第8版(案))に対する意見募集
 
 

Body3支援の必要性を訴える。

ATPは市場を海外へと拡大していくために、官民連携の支援が必要と訴える。

韓国では、韓国コンテンツ振興院(KOCCA)による製作会社への継続的資金提供により、製作会社の独立性が担保され世界的ヒットコンテンツを生んでいる現状があり、1兆ウォンの官民合同ファンドの設立も発表されている。

ATPとしてはグローバル制作力強化のために、コンテンツ製作を担う製作会社に対して継続的に支援する中央官庁的な機関の設置、また官民ファンドで投資家が製作投資できる体制づくりの実現、映像制作に対する税制優遇措置の検討などを提言している。

※韓国コンテンツ振興院(KOCCA)の2022年予算は、計5477億3千万ウォン(約582億6915万円)。支援事業を機能別に区分すると、制作支援が42・9%と最も大きく、その次が流通、インフラの順で、企業ニーズが大きい制作支援に力を入れている。

これはほとんど映画産業が求めていることと同じだ。この度、映画専門の支援組織の確立されることが発表された。
縦割り行政を打破できるか。映画に特化した支援機関の設立に向け一歩前進 | Branc(ブラン)-Brand New Creativity-

これは、コンテンツ産業の支援一元化のために「コンテンツ産業官民協議会」の下に置かれる組織だが、テレビ番組制作会社への支援も同様の支援が必要となっている。

コンテンツ産業官民協議会への期待は、映画産業だけでなくテレビも必要としている。

市場を拡げて国際競争力あるコンテンツを作れる体制への移行と、人材を育成していくための人に投資する姿勢の2つが求められている。

映画もテレビも、アニメもコンテンツ産業は一体となって、支援の実現に向けて、協調しながら求めていくべきだろう。

従来の下請け買いたたきのビジネスモデルは、もう立ち行かないことがはっきりしている。

現状では、制作費が減っていく一方で、競争力あるコンテンツを作れなくなってきている。今年は変えるための動きが活発なので、岸田政権以降も、この流れを止めずにやっていくべき

 
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メモ終わり。

テレビ業界も映画業界も、アニメ業界もここは一つになって大きな動きとして、官民連携の支援を行う一元的な組織つくりに向けて邁進すべきだと思います。
 
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※サムネイル画像は、Adobe FIreflyにて作成。