Brancに、中国の映画配給会社Road PicturesのCEO蔡公明(ツァイ・ゴンミン)さんの独占インタビューを掲載しました。
今年はTIFFCOMにてトークセッションも行っていた同氏ですが、そこで紹介されたIP展開についてより詳しく聞いてきました。
中国の映画館では、グッズ売り場がなかったそうなんですが、同氏の新会社GuGuGuGuが劇場に店舗展開し、映画を観た人にグッズを買ってもらうような習慣を根付かせようとしているそうです。
1年で様々なグッズを展開しており、そのスピードには毎回驚かされますが、そのスピード展開の秘密にも触れています。
以下、原稿作成時のメモと構成案。
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Point3つ
この1年の歩みとやったこと、映画館に常設グッズ売り場をはじめて中国で作った
オフライン体験の重要性の高まり
日本のIPホルダーに言いたいこと
Intro
すずめやスラダン、ハイキュー、スパイなど、近年、中国で大ヒットしたアニメのほとんどに関わっている会社。
オフライン体験を重視、グッズやイベント展開を手掛ける新会社を昨年設立、一年が経過。配給業務からメディアミックス的統合ビジネスへ転換を図っている。
この一年の成果と今後の展望を聞いた。
Body1 この1年の歩み
事業展開の成果
店舗展開: テレビ局、ショッピングモール、映画館に計33店舗展開。
商品展開: 67種類の新商品を開発・販売。
オンライン展開: ECサイトを開設し、販売チャネルを拡大。
イベント開催: スパイファミリー、ハイキュー!など、人気アニメのプレミアイベントを開催。
コミュニティ形成: 会員数数十万人、グループチャットメンバー100万人規模のコミュニティを形成。
成功要因
コンテンツとイベントの連携: アニメコンテンツと連動したイベントを開催し、商業施設から高い評価を得る。
店舗デザイン: 日本デザインセンターとのコラボレーションにより、魅力的な店舗デザインを実現。
映画館との連携: 映画配給会社との既存の関係性を活かし、映画館内に店舗を展開。
直営店によるブランド力強化: ブランドイメージを保ちながら、直営店形式で事業を展開。
店舗の特徴
柔軟な店舗設計: さまざまな場所に合わせたフレキシブルな店舗設計。
迅速な店舗展開: 映画館店舗は2日間で設置可能。
多様な商品展開: 自社製品だけでなく、他社アニメ作品やハリウッド映画のグッズも販売。
新しい試み
映画館内でのグッズ販売: 中国の映画館では初の試み。
Body2 オフライン体験の重要性の高まり
店舗戦略とファンとの共創
店舗は体験の場: 映画館や店舗を、ファンが映画を観たり、イベントを開催したりできるコミュニティスペースと位置づけている。
ファンとの共創: 店舗で上映会やイベントを開催し、ファンと作品の世界を共有する場を提供。
限定グッズの販売: 自社開発のオリジナルグッズを販売し、店舗ならではの価値を提供。
品質と信頼性: 高品質なグッズを提供し、不正な輸入品との差別化を図る。
グッズ販売と市場動向
人気グッズ: アクリルスタンド、カード、ぬいぐるみが特に人気。
女性客が多い: グッズ購入者の大半は女性。
海外展開: 海外でのポップアップストア展開や、東南アジア市場への進出を検討。
中国アニメ市場: 中国アニメ市場も成長しており、日本のアニメとの競争が激化している。
日本のアニメを中国で広めるための戦略
IPの強み: 日本のアニメはシリーズものが多く、長期的なファン育成に有利。
総合的なプロモーション: イベント、商品、コミュニティなど、多角的なアプローチでファンを拡大。
長期的な視点: 単発の収益ではなく、長期的なファン育成に力を入れる。
ファンとの共創: ファンにフィードバックを行い、共感を得る。
収益よりもファンとの関係構築
初期投資: ファン獲得のために、プロモーションやイベントに積極的に投資。
長期的な視点: 短期的な収益よりも、長期的なファンとの関係構築を重視。
ファンとの共創: ファンに価値を提供することで、長期的な収益につなげる。
Body3 今後の予定
日本のIPホルダーへの提言
中国市場の重要性認識: 中国市場の規模と成長性を理解し、日本ファーストの考え方を改めるべき。
中国市場への参入: 中国市場でオリジナルコンテンツやイベントを提供することで、中国のファンを満足させる。
長期的な視点: 中国市場は政治的な変動があるものの、日本のアニメに対する根強い人気は変わらないため、長期的な視点で取り組むべき。
パートナーシップ: 中国市場に強いパートナーと連携し、より効果的な展開を図るべき。
オリジナルIPの開発
日本のクリエイターとの協業: 日本のクリエイターと協力して、中国向けのオリジナル作品を制作する。
中国国内での制作: 中国国内で独自の制作体制を構築する。
日本のアニメ業界への貢献: 日本のアニメ業界を支え、共に成長していく。
今後の展開
既存事業の拡大: オンライン、オフライン、海外での販売網を拡大する。
メーカーとの連携: 日本のメーカーと協力し、商品開発や販売を推進する。
新規IPの開発: 新しいIPを創出し、テーマパークなど新たな事業展開を目指す。
テーマパークの開発: 日本のアニメをテーマにしたテーマパークの開発を検討している。
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メモ終わり。
Road Picturesは、中国における日本アニメの鍵を握る重要な会社です。これまでは映画作品の配給という立場でしたが、今はグッズ展開にイベント開催など、メディアミックス戦略で重要なポジションを担うようになっています。中国市場はやはり特殊な環境ですので、市場を熟知した上で日本アニメに理解ある会社の存在は貴重ですね。
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