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東宝が2025年も独走? ラインナップ雑感と、細田守最新作『果てしなきスカーレット』への期待

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東宝の2025年ラインナップ発表会が開催された。2025年は27本の映画を配給予定ということだ。ちょっとファーストインプレッションを記しておきたい。

まず、2024年は東宝は過去最高の910〜920億円の興行収入を記録したとのこと。単価が上がっていることも考慮しないといけないが、絶好調と言える。しかも、映画市場全体の58%を占めているという。

ということは、今年の全体の興行収入は2000億円いくかいかないかといったところになりそう。今年は夏頃から良くないといわれて、秋も冬も目玉となれそうな作品を欠いていたが、映画産業全体としては元気がない。そんな中、東宝一人勝ち状態である。もうちょっと、他社がんばれ。

この結果は、直接には洋画不振が大きいわけだが、邦画系も、大作劇場アニメがない時の東映は何をどう稼ぐんだという課題があるし、松竹は今年はある程度盛り返したが、切り札に欠ける。2025年には東宝とバンダイが共同配給で『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』を配給するんだが、ガンダムシリーズって今までずっと松竹だったのに、どうしたんですかね。『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』は、松竹とバンダイが共同配給だったのに。

 

夏の作品が弱いが、『鬼滅』が入る?

され、東宝のラインナップの話に戻るが、今年と同程度の強さって感じか。12月30日の『グランメゾン・パリ』に始まり、冬は『孤独のグルメ』や『アンダーニンジャ』が安定して稼ぐだろう。僕としては、オリジナル作品の坂元裕二脚本、塚原あゆ子監督の『ファーストキス 1ST KISS』がどのくらいいけるのか気になる。

その後は好例の3月『ドラえもん』かた4月の『名探偵コナン』へのバトンで安定して大きく稼げる。だが、夏のラインナップが弱い。『TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』は稼ぐだろうが、メガヒットなるかは微妙。ただし、公開時期が発表されなかった『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』が夏に出してくる可能性はある。夏に『鬼滅の刃』、秋に『チェンソーマン レゼ篇』というスケジュールだと、冬公開予定の細田守監督の新作『果てしなきスカーレット』まできれいに埋まる。アニメ作品は制作の進捗とも相談だろうから、いつ公開できるか、まだ決まらないだろう。

『鬼滅の刃』の当たり方次第では、今年の記録を抜いて過去最高を更新するかもしれない。

 

細田守の新作はソニー・ピクチャーズで世界配給

注目は、やっぱり細田守監督の新作だ。発表されたティザービジュアルでは、西洋ファンタジー風の世界観を思わせるが、本当にファンタジー作品かどうかはまだわからない。ただ、どうも冒険や壮大なアクションがあると、共同配給のソニー・ピクチャーズの発表にあるので、本当にファンタジー作品かもしれない。

この『果てしなきスカーレット』は、東宝とソニー・ピクチャーズが「全世界配給」すると発表された。発表時には、SPEインターナショナルディストリビューション・プレジデントのスティーブン・オデール氏のビデオコメントも流れたらしい。全世界でドカンと公開されるようだ。

また、「昨年『君たちはどう生きるか』がアメリカで公開された時期でもあり、作品の大ヒットを受けて、本作にとってもベストな時期だと確信しています。」と語っているので、12月くらいなのかな。『君たちはどう生きるか』は全米で12月8日の公開だった。

あと気になったのが、ソニー・ピクチャーズの発表サイトにあるキャッチコピーに既視感があること。「天才・細田守の情熱が世界中に吹き荒れる。」というやつなんだが、『もののけ姫』の、「天才・宮崎駿の凶暴なまでの情熱が、世界中に吹き荒れる」に似てますよね?

内容はまだ全く発表されていないので、なんとも言えないが、細田監督が今度はどんな挑戦をするのか期待したい。細田監督は、このところ国内の評価と海外の評価が乖離している感じがあるのだが、海外では着実に実績を積み上げている。世界興収だけじゃなく、評価の面でもどうなるか、注目している。
 
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