[PR]

第3回新潟国際アニメーション映画祭で今敏監督が特集。どんな側面が語られるのか

[PR]

2025年3月15日(土)より開催される、第3回新潟国際アニメーション映画祭のレトロスペクティブ部門で、今敏監督が取り上げられることが発表された。

第1回は大友克洋、第2回は高畑勲が取り上げられ、3回目は今敏という並びとなった。いずれも国際的に高い評価を得てきた、日本アニメを代表する作家だ。

プレスリリーズには、「-なぜいま “今 敏”なのか?-」というメッセージが添えられていた。

没後14年が過ぎた今も、世界の最も偉大なアニメーション監督として名前が挙がり、アニメーションのみならず実写やゲーム、イラストなど他分野に影響を及ぼした存在と紹介されている。

実写映画で、よく今敏の影響として挙げられるのは、ダーレン・アロノフスキー監督の『ブラック・スワン』、そしてクリストファー・ノーラン監督の『インセプション』がある。ノーランは『パプリカ』を観ていないと言っているそうだが。観ていても、観ていなくてもいいが、今敏は世界をあっといわせたノーランと同等の想像力を持った作家であるという点は変わりない。

今回の特集では、よくリバイバル上映される、長編4作品以外にも、原画や演出などで参加した作品も上映されるとのこと。今のところ発表されている作品では、『走れメロス』 (監督:おおすみ正秋/レイアウト参加)は、まだ観ていない。その他の作品は、ある程度おなじみで、名作と言われる作品が多い。

今敏は、すでに世界的に評価の確立された作家と言えるが、今回あらためて特集し、どんな新たな視点を提供するのか、期待している。

昨年の東京国際映画祭では、やはり評価の固まりまくった小津安二郎を生誕100年ということで特集していた。改めてそのすごさや功績を振り返るのみならず、これまでに語られてこなかったポイントにも光を当てていた。黒沢清、ジャ・ジャンクー、ケリー・ライカートのトークは非常に鋭く、あまり指摘されない小津映画の側面を浮かび上がらせていたと思う。
「小津安二郎生誕120年記念シンポジウム」レポート 黒沢清、ジャ・ジャンクー、ケリー・ライカートが語る小津安二郎|第36回東京国際映画祭(2023)

いま、今敏を特集するのであれば、そういう語られてこなかった別の側面に光を当てるということを期待したいと思う。映画祭というのは、そういう場であると思うので。

あと、今敏監督はマンガ家でもあるので、マンガの原画展もどこかで開けないものか。武蔵野美術大学で、今さんの在籍中のデッサンなんかも含めた展示会が、一度大学で開催されたことがあったのだけど、そういうものも映画祭期間中にどこかで見れたら素晴らしい。

あ、あと、ドキュメンタリー映画の『今敏ー夢見る人』はやらないのでしょうか。やってください、お願いします。


 
ちなみに、僕が一番好きな日本のアニメーション映画は、実は『千年女優』だ。歌舞伎町の東急ミラノ座で観た時の衝撃は忘れられない。今敏監督の作品は、虚構と現実のないまぜに特徴があるが、本作のその混交はとても希望に溢れた前向きな感じがある。映画という虚構の力への信頼が感じ取れる。人は誰しも物語を生きているのであって、だから人生は面白いのだと。エンディングの平沢進の「ロタティオン (LOTUS-2)」もすごいし。今だに聴く度にテンションが上がる。
 

今敏レトロスペクティブ 上映予定作品(12/25現在)
・PERFECT BLUE/パーフェクトブルー
・妄想代理人
・千年女優
・走れメロス
・MEMORIES
・機動警察パトレイバー 2 the Movie サウンドリニューアル版
・パプリカ
・東京ゴッドファーザーズ

随時追加予定とのこと。最新情報は、映画祭公式サイトで確認を。
新潟国際アニメーション映画祭
 
関連作品