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音のドラマ「119エマージェンシーコール」と映画「ギルティ」の共通点: 豪華声優陣も集結

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フジテレビの月9ドラマ『119 エマージェンシーコール』は、音のドラマだ。

近年、音の表現に注目した映画が話題になることがあった。2018年の『THE GUILTY ギルティ』という作品は、誘拐されている女性からの緊急通報を受けた、緊急通報指令室のオペレーターが音だけを頼りに事件の解決を目指すという物語で、音しか頼りにならない状況が、観客にもかなり強い緊張感を生む作品だった。

このドラマは、それと似ている部分がある。この作品では、119番の消防局の通信指令センターが舞台となっている。東女人物たちは耳からの情報を頼りに、事件現場の状況を把握し、的確な判断を下して迅速な救援につなげていかねばならない。

ドラマは、現場の状況も写し出すが、その前に音だけを頼りに判断を迫られる指令センターの面々のギリギリの判断をかなり写している。特に清野菜名演じる主人公の粕原雪は、とりわけ耳がいいという設定になっていて、わずかな音を頼りに現場の状況を判断していく。

第一話では、ショッピングモールで家事の現場に取り残された女の子からの通報を受け取る。粕原は、掃除ロボットのかすかな音を聞き分け、現場の隊員に指示を出し、女の子の保護に成功する。音だけが頼りの状況で判断で、しかも人の生命がかかっている状況で判断ミスは許されない、緊迫の状況が描かれる。

主人公は、創造力を働かせるということをよく言う。音が人に与えるイメージを喚起させる力について、この作品は描いていると言えるかもしれない。わずかな音を聞き分けて、現場の空間の拡がり、何があるのかなどをイメージする。音の持つ情報量は注意深く聞けばすごいのだということだろう。

テレビドラマなので、映像でもわかりやすく表現するために、主人公の想像しているビジョンを具体的に見せたりしているのだが、本作は基本的に「音のドラマ」と言える。

役者陣で注目なのは、ベテランの堂島信一を演じる佐藤浩市だろう。連ドラに出演すること自体、かなり久しぶりだが、重厚な存在感を放っていて画面を引き締めている。ツンツンした瀬戸康史もいい味を出している。三上愛はこれから何か深堀りありそうな、独特の雰囲気を放っている。中村ゆりは係長役で、親しみやすいを前面に出した上司役。こういう上司の役にいかにも上司っぽい演技を要求するのも時代遅れなのかもしれないなと思った。

それと、本作は音のドラマなので、声だけの出演者で声優も出演している。第一話では榎木淳弥が119に迷惑電話する役柄ででてきていた。めちゃくちゃ腹の立つ芝居を聞かせていて、持ち味出ているなと思った。

二話には、釘宮理恵が登場。3話には檜山修之が、4話には井上麻里奈と島﨑信長が出るらしい。

毎週、どんな声優が出てくるのかと予想しながら見るのも、声優ファンにとっては面白いかもしれない。

フジテレビの問題で打ち切り説が出てるが、内容自体は面白いので、できれば最後までやってもらいたい。

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