京都精華大学(京都市左京区、学長:澤田昌人)は、京都府相楽郡精華町および株式会社ワンビリングと連携し、アニメーション原画のデジタルアーカイブを活用した地域活性化の実証事業を開始する。
本事業では、アニメーションの版権元と交渉のうえ、原画などの資料を借り受け、デジタルデータとして保存・活用することを目的としている。作成されたデジタルデータは、教育や研究、地域イベントでの展示や体験型教育などに活用される予定だ。
「メアリと魔女の花」アニメーション資料展示会を開催
本事業の一環として、アニメーション資料の展示会「精華町アニメーション資料展示会 ~メアリと魔女の花~より」が開催される。
開催日時:2025年2月23日(日)10:00~16:00
会場:けいはんな記念公園 水景園内 ギャラリー「月の庭」※当日は水景園が無料開放される。
主催:精華町
共催:けいはんな記念公園管理事務所
企画・運営:(株)ワンビリング/京都精華大学
協力:(株)スタジオポノック
本展示会では、スタジオポノックより借り受けたアニメーション作品「メアリと魔女の花」の中間成果物をデジタルデータ化し、タブレット端末を用いた資料展示を実施する。こうした形態でのアニメーション資料展示は国内初の試みとなる。
また、展示会のパネル製作や運営には京都精華大学メディア表現学部の学生が参加。会場では、学生が制作した「アニメーションアーカイブの説明冊子」も無料配布される予定。
アニメーション原画のデジタルアーカイブによって地域活性化の推進を図る実証事業
京都精華大学は1970年代からマンガ教育・研究に取り組み、マンガ学部やマンガ研究科、国際マンガ研究センターを有している。歴史的な価値がある一方で、棄損や廃棄の危機にあるアニメーション原画のアーカイブ化は、研究史資料の保存・活用という観点からも重要視されており、本事業によって資料保存のノウハウ確立や地域活性化の新たな可能性が期待されている。
本事業は令和5年度に環境整備を開始し、令和7年度までの3年間にわたり実施される。国のデジタル田園都市国家構想交付金(地方創生推進タイプ)を活用し、KICK(けいはんなオープンイノベーションセンター)内に事業拠点を整備。史資料の保管、撮影、デジタルデータ化を進めていく。
事業の推進体制
京都精華大学:史資料のデータ化および学術的活用の監修、学生の参画、研究活動への利活用検討
精華町:地域活性化(イベント、体験型教育への活用など)に向けた取り組み、情報発信
株式会社ワンビリング:アニメーション業界および関係団体との交渉、アーカイブ化、デジタルデータ化の業務推進
関連作品