映画「PLAN 75」で注目を集めた早川千絵監督の最新作「ルノワール」が、6月20日に東京・新宿ピカデリーをはじめ全国で公開されることが決定した。鈴木唯、石田ひかり、中島歩、河合優実、坂東龍汰、リリー・フランキーが出演する。
早川監督は、「PLAN 75」で第75回カンヌ国際映画祭のカメラドール(スペシャルメンション)を受賞し、第95回アカデミー賞では国際長編映画賞の日本代表作品に選出された実績を持つ。最新作「ルノワール」では、日本がバブル経済の絶頂期にあった1980年代後半の夏を舞台に、両親の関係に溝が生じたことで日常が揺らぐ11歳の少女・沖田フキの姿を描く。
フキ役には、「ふれる」「少年と犬」などに出演した鈴木唯がオーディションを経て抜擢された。フキは空想好きでマイペースな少女であり、さまざまな事情を抱えた大人たちと触れ合いながら成長していく。母・詩子を石田ひかり、闘病中の父・圭司をリリー・フランキーが演じるほか、中島歩、河合優実、坂東龍汰がフキと関わる大人たちの役を務める。
本作は、子供特有の繊細な感情を丁寧に描写しつつ、フキが関わる大人たちの人生の不確かさや、人間関係の哀愁を温かなまなざしとユーモアを交えて映し出す。早川監督は「うれしい、楽しい、寂しい、怖い。子どもの小さな体に宿る感情に『哀しい』が加わるとき、人は初めて大人になるのかもしれません」とコメント。「少女の複雑な感受性と豊かな孤独が、観る人の心に触れることを願っています」と作品への思いを語った。
主演の鈴木は「フキは不思議な子で、演じるのは大変でしたが、撮影はとても楽しかったです」と振り返り、「少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです」と呼びかけた。石田は「夢のような気持ちで撮影した作品が、いよいよ皆様のもとへ巣立っていきます。多くの方の心に届きますように」と願いを込めた。リリー・フランキーも「様々な星屑がきらめくような作品で、撮影をしながらも名作の誕生に携わっている名誉を感じていました」と語った。
早川監督は、以下のようにコメント。
#映画ルノワール 早川千絵監督コメント
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うれしい、楽しい、寂しい、怖い。子どもの小さな体に、はちきれんばかりに宿る感情。
そこに「哀しい」が加わる時、人は初めて大人になるのかもしれません。— 映画『ルノワール』公式アカウント (@Renoir_JP) February 24, 2025
「ルノワール」は、日本、フランス、シンガポール、フィリピン、インドネシアの国際共同製作作品であり、2024年7月から9月にかけて日本、11月には海外で撮影が行われた。現在はポストプロダクション中で、公開へ向けた最終調整が進められている。