石田えりが初監督・脚本・編集・主演を務める長編映画『私の見た世界』が、2025年7月26日よりシアター・イメージフォーラムで公開されることが決定した。本作は、日本犯罪史に残る「松山ホステス殺人事件」の犯人・福田和子の逃亡生活を、新たな視点で描いた作品。
本作の原作は、福田和子が松山拘置所内で綴った手記『涙の谷』(扶桑社刊)。1982年に発生し、時効成立直前の1997年に逮捕されたこの事件は、14年11ヵ月10日間に及ぶ逃亡劇として社会の関心を集めた。石田は監督・脚本・編集・主演の4役を担い、整形を繰り返しながら逃げ続けた女の視点からこの物語を描き出す。
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ストーリーは、36歳の母親がある事件を起こし、時効までの15年間逃亡する姿を追う。彼女は世間の悪意にさらされながらも、何を見つめていたのか。逃げることはすなわち追われること。その果てに待つものとは何か。これまでの犯罪映画とは異なる視点で、逃亡者の内面に迫る。
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石田えりは「生きていれば誰しも逃げ出したいものに出会う。罪、傷、トラウマ——しかし逃げることは追われることでもある。この映画を通して、逃亡の果てにあるものを見つめ直してもらえれば」とコメントを寄せている。
石田は女優として長年活躍し、『遠雷』(1980年)、『華の乱』(1988年)、『飛ぶ夢をしばらく見ない』(1990年)などで日本アカデミー賞を受賞。近年ではハリウッド映画『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』(2021年)にも出演した。2019年には短編映画『CONTROL』で監督デビュー。本作で長編監督デビューを果たす。
『私の見た世界』は2025年7月26日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開予定。