Canal+グループは火曜日、2024年通期決算を発表し、3大陸52カ国での加入者数が2690万人に達したことを明らかにした。2023年末時点の2680万人から微増し、増収増益を達成した。
売上高は前年比3.6%増の64億5000万ユーロ、EBITA(利払い・税引き前利益)は5.4%増の5億300万ユーロとなった。同社はまた、「3億5,500万ユーロという極めて限定的な負債水準により、カナル+は積極的なM&A戦略を追求することができる」と強調した。
地域別の加入者動向を見ると、アフリカとアジアでは2.5%の増加を記録し、ヨーロッパ市場での0.7%の減少を上回った。
カナル+の最高経営責任者(CEO)であるマキシム・サーダ氏は、「2024年はCanal+にとって極めて重要な年だった。加入者数5,000万人から1億人を擁する世界的なメディアおよびエンターテインメントのリーダーになるという野望の達成に向けて、確実に前進している」と述べた。さらに、世界的なコンテンツ制作・配信、新たに統合したDailymotionとGVA、そしてアフリカ有料テレビ市場のリーダーであるMultichoiceの買収進展を、重要なマイルストーンとして挙げた。
映画事業の伸長
カナル+傘下の映画製作・配給部門であるスタジオカナル(Studiocanal)も、2024年において世界的な成功を収めた。『バック・トゥ・ブラック』は8カ国で興行ランキング首位を獲得し、『ウィキッド・リトル・レターズ』は2021年以降、英国で最も興行収入を上げたインディペンデント・コメディとなった。また、『Beating Hearts』はフランスで約500万枚のチケットを売り上げ、スタジオカナル史上最高の興行収入を記録した。
さらに、『パディントン』シリーズの最新作は世界興行収入1億7000万ドルを突破し、シリーズ累計で7億ドルに迫っている。また、『ブリジット・ジョーンズ』シリーズの最新作『Bridget Jones: Mad About the Boy』も成功を収め、同シリーズの持続的な人気を証明した。
新レーベル「Sixth Dimension」の立ち上げとIP活用の強化
Studio Canalは、新たにジャンル映画専門のレーベル「Sixth Dimension」を立ち上げ、その第一弾プロジェクトとして『Silent Night, Deadly Night』のリブートを発表した。また、同社初のグローバルTVシリーズ『Paris Has Fallen』は、映画『Has Fallen』シリーズを原作とし、CANAL+ PayTVの全地域、英国のAmazon Prime、米国のHuluで好調な視聴実績を記録した。
さらに、Canal+が保有するIPを活用した新プロジェクトも進行中だ。『イービル・デッド』の新作や『エスケープ・フロム・ニューヨーク』のリブート、ラガルデール・グループが所有する人気キャラクター『アステリックス』の次回実写映画など、多岐にわたる。
マキシム・サーダ氏は、「映画はCanal+にとって、加入者の獲得、維持、満足度を高める最も重要な要素だ」と強調する。そのため、同社はスタジオカナルの作品に加え、米国スタジオとの提携、さらにはフランス、アフリカ、ポーランドなどの地域で国内映画の主要な産業・財務パートナーとしての役割を強化している。この戦略により、各国で最も成功した国内作品へのアクセスを確保し、グローバルな競争力を高める狙いだ。
また、同社はアフリカ映画市場における主導的立場の強化にも注力している。今後も世界的なメディア・エンターテインメント企業としての成長を目指し、積極的なM&A戦略を推進する構えだ。
ソース:Canal+ Ends 2024 With 26.9M Subs and Eyes “Active M&A Strategy”