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イギリスITV、スタジオ部門が過去最高益を達成!広告収入も増加し業績好調


英メディア大手ITVは5日、2024年通期の決算を発表し、制作部門であるITVスタジオの利益が過去最高を記録したことに加え、広告収入が前年比2%増加したことを明らかにした。

同社の発表によると、2024年の通期における総外部収入は4%減少したものの、調整後税引前利益は23%増加した。これは「ITVスタジオの過去最高益、メディア&エンターテイメント部門の利益増および利益率向上、さらにはコスト削減の成果」によるものとしている。

ITVはこれまで、第4四半期の広告収入が前年比6~7%減少する見通しであると予測していたが、デジタル広告収入の堅調な成長を背景に、2024年通期では約2.5%の増加を達成した。
 
■制作部門の収益は減少も、利益は過去最高

ITVスタジオの総収益は2024年に6%減少した。これは「2023年の米国俳優・脚本家ストライキの影響、地上波放送局の需要低下、納品スケジュールの変動」に起因するものとされる。しかし、調整後EBITA(利払い・税引前・償却前利益)は前年比5%増の2億9900万ポンド(約386百万ドル)となり、前年の過去最高記録を更新した。

ITVスタジオは2024年、多くの話題作を制作した。英国内で最大の視聴者数を記録したドラマ『Mr Bates vs The Post Office』、Netflixで歴代屈指の視聴数を誇る『Fool Me Once』、年間最も成功したフランチャイズ番組『The Voice』、米国で最も人気のリアリティ番組『Love Island USA』、Disney+のヒット作『Rivals』などが挙げられる。
 
■コスト削減施策の進捗と将来展望

2024年初頭、ITVは戦略的な組織再編と効率化プログラムを発表し、「コスト構造の再構築、収益性の向上、スタジオおよびストリーミング事業の成長支援」を目指すとした。同年末までに年間5000万ポンド以上の追加コスト削減を達成する見通しであり、2024年の純利益に3000万ポンドのプラス効果をもたらすと見込まれている。

11月の時点で、ITVはさらに2000万ポンドの追加削減を計画しており、そのうち1000万ポンドはコンテンツ費用の削減、残りの1000万ポンドは2025年予定だった非コンテンツ関連コストの前倒し削減によるものである。

5日の発表では、ITVは2024年に6000万ポンド(約77百万ドル)の「恒久的なコスト効率化」を達成し、当初の計画を1000万ポンド上回ったことを報告した。2025年にはさらに3000万ポンド(約38.5百万ドル)の非コンテンツコスト削減を予定している。キャロリン・マッコールCEOは、「効率化プログラムによって、成長投資の資金を確保し、インフレの影響を相殺し、利益率を改善した」と述べた。
 
■ITVXの成長とデジタル広告収益の増加

マッコールCEOは、同社のストリーミング事業における成功にも言及した。「ITVXは過去2年間で英国における最も急成長したストリーミングプラットフォームであり、プログラマティック広告プラットフォーム『Planet V』と相まって、デジタル視聴および収益の大幅な成長を実現している」と語った。

2024年のITVXのデジタル視聴時間は12%増加し、デジタル広告収入は15%増加した。また、ITVは「2025年末までにITVXへの累積投資を回収する予定であり、これは当初の予測よりも早い」と報告している。

マッコールCEOは、今後の成長見通しについても楽観的な見方を示した。「ITVスタジオおよびデジタル収益の両面で堅調な成長を続ける自信がある。放送の持つ強力なリーチと安定したキャッシュフローが、当社の競争力を支えている。また、現在ではコンテンツ制作とデジタルが収益全体の約3分の2を占めるようになっており、当社はより強靭なビジネスへと進化しつつある」

今後もITVは、収益性の向上と株主への魅力的なリターンの提供を目指し、変革を続けていく方針だ。

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