呉美保監督と脚本家・高田亮のコンビが贈る映画『ふつうの子ども』が、9月5日(金)よりテアトル新宿ほか全国で公開される。『そこのみにて光輝く』『きみはいい子』に続く二人のタッグによる本作は、子どもたちの生きる世界をリアルかつ鮮やかに映し出す完全オリジナルストーリーとなっている。
監督の呉は、プロデューサーの菅野和佳奈から「子どもの映画を作りませんか?」と提案されたことが本作の出発点だったと振り返る。高田による脚本を読み、自身が長年願い続けてきた「ありのままの子どもを思いっきり描きたい」という夢が叶う作品になると確信し、制作を決意したという。
「子どもは目の前のことに夢中で、大人の想像を軽々と超えてしまう。短絡的で狂熱的で、それこそが子どもである証。そんな彼らの喜怒哀楽をスクリーンに詰め込みたいと思った」と呉は語る。
また、呉自身が「映画館で映画を観る時間を持てなくなった」という経験を踏まえ、「子どもも大人も共に楽しめる映画」を目指した。子どもはワクワクし、大人は懐かしさや切なさを感じながら、観た後に語り合える作品となっているという。
脚本を手がけた高田も「ずっと前から、子ども同士の人間ドラマを書きたいと思っていた」と語る。「子どもたちのストレートな暴言、大人からの小言、楽しみを見つけようとする強烈なパワー、そして無邪気の危険性。彼らが生きる濃密で貴重な時間を描きたかった」とし、呉の映画にはそのすべてがあると評価する。
企画・プロデューサーの菅野は、ショーン・ベイカー監督の『フロリダ・プロジェクト』を引き合いに出し、「子どもたちの視点を通して見える世界が、観る者の心をざわつかせ、社会まで考えさせるような映画にしたかった」と語る。本作は、現代の日本の子どもたちが持つエネルギーや危うさを偏見なく映し出し、その可能性を観客に問いかけるものとなっている。
本作のキャストには、オーディションを経て抜擢された嶋田鉄太、瑠璃、味元耀大らが名を連ねる。呉は「彼らの輝く姿を早く観てもらいたい」とし、「これまでの映画作りで最も自由に、何かを解き放つことができた」と語る。
製作幹事・配給はmurmur、製作プロダクションはディグ&フェローズ、制作プロダクションはポトフ。
映画『ふつうの子ども』は、9月5日(金)よりテアトル新宿ほか全国で公開される。
公式サイト:映画『ふつうの子ども』公式サイト