韓国の人気ボーイズグループBTSの熱狂的なファン「ARMY」が、米国テキサス州オースティンで開催されるSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)映画祭に集結する。彼らを題材にしたドキュメンタリー映画『Forever We Are Young』が、現地時間3月10日に歴史あるパラマウント・シアターで世界初上映されることが決まった。
本作は、グレース・リーとパティ・アンが共同監督を務め、BTSのファン文化を深く掘り下げた作品となっている。BTSはデビューからわずか10年あまりで世界的な成功を収め、ARMYと呼ばれるファンたちは、その成長を共に歩んできた。「映画の冒頭に登場するファンの多くは10代です。人生でも最も多感な時期にある彼らにとって、BTSは単なるアイドルではなく、人生の伴侶のような存在なのです」とリー監督は語る。
本作では、BTSのファン層の広がりにも焦点を当てる。ARMYは国籍、人種、性的指向といった枠を超えた多様性を持ち、10代からシニア層にまで及ぶ。「40代以上のARMY」や「シルバーARMY(70歳以上)」といったグループも存在し、世代を超えて熱烈な支持を集めているのが特徴だとアン監督は指摘する。
監督の二人もまた、ARMYの一員であることを公言している。リー監督は「私はBTSのすべてのメンバーを同じくらい愛する『OT7(One True Seven)』です」と語る。アン監督もまた、BTSの音楽とパフォーマンスに魅了されており、「ジミンが私のバイアスです」と明かす。
映画には、BTSの象徴ともいえる緻密なダンスパフォーマンスや楽曲もふんだんに盛り込まれている。制作にあたっては、BTSを擁する韓国の大手芸能事務所HYBEの協力が不可欠だったという。「BTSのドキュメンタリーを作る以上、彼らの音楽や映像を使用する必要がありました。HYBEの許可なくしてこの映画は成立しなかったのです」とリー監督は説明する。
上映当日は、BTSのメンバーSUGAの誕生日と重なることから、ARMYによる「ランダムダンスプレイ」が劇場前で開催される予定だ。ファンたちはBTSの楽曲に合わせて即興でダンスを披露し、グループへの愛を表現する。「このイベントは、ファン同士の結束を深め、BTSへの敬意を示す重要な文化なのです」とリー監督は語る。
上映スケジュール・チケット情報はこちら:SXSW 2025 Schedule | Forever We Are Young