人気作家・小川糸のフォトエッセイ集『いとしきもの 森、山小屋、暮らしの道具』が、5月7日に文春文庫より発売される。本作は、文庫オリジナルとして刊行される。

「美しい森との出会いが、私の人生を変えた」
小川は3年前、都会を離れ、森へと移住した。自然に囲まれた山小屋での生活は、シンプルな食事、厳選した道具の使用など、暮らしのあり方そのものを大きく変えるものだった。本書では、料理風景や庭仕事、愛犬・ゆりねとの日々を、美しいカラー写真とともに綴っている。
「この美しい森との出会いが、私の人生を変えてくれました」と小川は語る。「人生は意外とあっという間です。やりたいことや欲しいものを先送りせず、なるべく長く人生を共にするのが幸福な生き方に繋がるのではないか、というのが、山小屋を建てて私が得た教訓です」とも述べ、自身の経験を通じた学びを伝えている。
せわしない日常から離れ、自分にとっての「いとしきもの」を見つける
本書では、小川が実際に使っている生活道具やアート作品など、日々の暮らしの中で大切にしている「いとしきもの」を紹介する。「読者の皆さんにとって、暮らしの参考になるページがありましたら、と願わずにはいられません」と小川は語り、「これからの人生で、どうか、ご自分にとっての『いとしきもの』を見つけてください」と呼びかける。
『いとしきもの 森、山小屋、暮らしの道具』目次(一部抜粋)
・麓へ向かう
・森と湖とカフェ
・山小屋の条件
・薪ストーブと暮らす
・物語が生まれる季節
・このカレー粉でなきゃ!
・謎の職人Wのお風呂椅子
・クルミ仕事がはじまる
1973年生まれ。2008年に『食堂かたつむり』でデビューし、同作は映画化もされた。『つるかめ助産院』『ツバキ文具店』『ライオンのおやつ』などの作品がNHKでドラマ化され、『ライオンのおやつ』は2020年本屋大賞第2位を受賞している。著作は英語やフランス語など多言語に翻訳され、海外でも高い評価を得ている。