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新人アニメーター育成プロジェクト「ブルーランウェイ」始動!平野綾MV制作&教育書籍発行へ、クラウドファンド中


NPO法人アニメーター支援機構が、新人アニメーターの育成を目的としたプロジェクト「ブルーランウェイ」を開始、現在クラウドファンディングを展開している。本プロジェクトでは、新人原画マンを固定給で雇用しながら、平野綾の楽曲「ブルーランウェイ」のミュージックビデオ(MV)を制作。さらに、このMVの制作過程を基にした教育書籍の発行も計画している。

MV制作には、『劇場版 呪術廻戦 0』で総作画監督を務めた西位輝実が作画監督として参加。また、大阪芸術大学特任准教授の金澤洪充が演出を担当し、新人アニメーターの指導を行う。完成したMVは、新人アニメーター支援の新たな一歩となることを目指している。

アニメーター支援機構は、2010年から「新人アニメーター寮」の運営を通じて、低賃金に苦しむ若手アニメーターの住居支援を行ってきた。これまでに77名のアニメーターが支援を受けており、その中には『進撃の巨人 Season 3』の作画監督を務めた田中正晃や、『呪術廻戦 渋谷事変』『勇気爆発バーンブレイバーン』で絵コンテ・演出を手掛けた阿久津徹也、『なつぞら』のオープニングタイトルを担当した刈谷仁美など、業界で活躍する人材も多い。

アニメーター支援機構によると、アニメ業界では近年、優秀なアニメーターが他社へ引き抜かれる「拘束料」制度が一般化し、同じ制作会社に長く在籍するベテランが減少。これにより、新人アニメーターが現場で学ぶ機会が減り、技術の継承が滞る状況が生まれているとのこと。

さらに、分業制の影響で、作画監督による修正が原画マンにフィードバックされないケースも増加。従来、原画マンは「動画」の作業を通じて基本的なルールを学んでいたが、現在では動画工程を担当するアニメーターが極端に少なくなり、若手が基礎を身につける機会が減少しているという。

海外展開と組合設立への展望

アニメーター支援機構は、こうした状況を改善するため、国内支援の強化だけでなく、海外での展開も視野に入れている。2024年には、米オレゴン州ポートランドに事務所を設立。アメリカのアニメ制作現場での経験を通じて、産業別組合の仕組みを学び、日本での適用を目指している。

また、アメリカでは最低賃金が日本の3倍近くに設定されており、現地で仕事を受注することで、日本のアニメーターの賃金向上も期待できる。最終的には、産業別組合の設立や法改正を通じて、アニメ制作の構造的な問題を解決することが目標だ。

クラウドファンディングのページは以下。
ブルーランウェイ- 新人アニメーター育成プロジェクト – CAMPFIRE (キャンプファイヤー)