サウジアラビアの紅海国際映画祭(Red Sea International Film Festival)で国際プログラムディレクターを務めていたカリーム・アフタブ(Kaleem Aftab)氏が、同職を退任したとScreen Dailyが報じた。アフタブ氏は、2024年12月6日から14日まで開催された第4回映画祭を最後に職を離れた。
アフタブ氏は、「私がこの仕事を始めたとき、多くの人がサウジアラビアで成功する映画祭を開催するのは不可能だと言っていました。しかし、私たちは進歩的なプログラムを実現し、サウジアラビアでは公に上映されることがないと思われていた作品も紹介することができました。昨年、新会場で大成功を収めた映画祭を見届け、家庭の事情もあり、今が身を引く適切なタイミングだと感じました」とコメントしている。
映画祭の運営チームも声明を発表し、「カリームはこの4年間、映画祭の国際プログラムを構築し、映画祭を世界の映画祭カレンダーの重要な一角に押し上げました。彼の貢献は非常に大きく、今後の活躍を心から願っています」と感謝の意を表した。
なお、映画祭は今後の第5回開催(2025年12月4日~13日)や国際プログラミングチームの詳細については追って発表するとしている。一方で、アラブ映画プログラムとクラシック映画部門を担当するアントワーヌ・カリフ(Antoine Khalife)氏は引き続き同職を務めることが確認された。
英国出身のアフタブ氏は、2021年初頭からレッド・シーの国際プログラムディレクターとして、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、南米など世界各地の映画の選定を統括。カリフ氏とともに映画祭のプログラム構築に尽力した。また、『The Independent』、『The National』、『Interview Magazine』、『Screen International』などのメディアで20年以上にわたり映画や文化に関する記事を執筆してきた。
第4回レッド・シー国際映画祭は、サウジアラビアの港湾都市ジェッダの歴史地区「アル・バラド」に新設された常設会場で初めて開催された。今後、映画祭がどのように進化していくのか、引き続き注目される。